表面的にはごく普通の商品に見えるかもしれないが、実は完成するまでの"過程"にたくさんのやさしさがつまっているのだ。
筆者は、一見高く感じるエシカル商品の値段こそが本来支払うべき対価であり、ほかの商品が安すぎるだけだと考えている。今回は、エシカル商品が「本当は高くない」と言える6つの理由をまとめて紹介する。
少量生産だから
製品は基本的に製造量が多ければ多いほど1個あたりのコストが低くなるため、安価な商品の大半は過剰に生産されている。
一方で、エシカル商品はできる限り売れ残りを出さないよう少量生産されており、環境負荷の高い農薬や大規模な工場も極力使わない分、過剰生産する商品と比べて価格が上がってしまうのだ。
特に近年はファッションロスが深刻な問題となっており、国内で毎日大型トラック約130台分の衣服が焼却・埋め立てされているため、エシカルファッションの普及が急がれている。
素材にこだわっているから
安い商品に使われている素材は、労働力が安い国で作ったり、人体に害のある化学薬品を使って生産効率を高めたりすることでコストを削減している。
一方で、エシカルな素材は、さまざまな基準をクリアするために生産者の方々の徹底した努力によって作られている。
また、高度な技術を用いた新素材が多く、まだ需要もあまり高くはないため、どうしても高価になりがちだ。
製造過程での環境負荷が低いから
現代社会に出回っている商品の多くは、できる限りお金と時間がかからない方法を選んで製造されている。
一方で、エシカル商品は多少コストが高くなっても、輸送距離を減らすために近場から原料を調達したり、機械ではなく人の手を使ったりして環境負荷を削減しつつ、地域経済を支えている。
完成品の品質が変わらない場合でも、製造過程での水質汚染や温室効果ガス排出が少なくなるように工夫しているのだ。