SHEINのTシャツが「300円」で買える、衝撃の理由

SHEINは2008年にアメリカで設立されたファストファッションブランドで、その圧倒的な安さがSNSで話題になっている。

オンライトストアを訪れる人数は、すでに「ナイキ」や「ZARA」を上回っているというから驚きである。

世界56カ国のiOSアプリのショッピングカテゴリー部門ではダウンロード数No.1を獲得。トレンドを捉えた商品が多く、種類も豊富なことから10代・20代の女性を中心に人気を博している。

ユーザー増加の勢いはとどまるところを知らないが、最近では安価な服の裏で起きている労働問題や環境汚染が問題となっている。

今回は、SHEINがTシャツを300円で販売できる衝撃の理由を見ていこう。

SHEINの労働環境




SHEINの下請け工場の労働者は、1日に12時間、月に1度の休みしかもらえずに働いており、ほとんどは雇用契約書を交わしていない。

良い月であれば、1万元(約20万円)の手取りがあるが、悪い月ではその3分の1程度になることもある。時間外労働の割増賃金もないそうだ。

工場の80%以上で火災への対策が行われていなかったり、労働時間に違反があったりなど、さまざまな問題が発生している。

労働者が辞めない理由


SHEINの下請け工場で働いている労働者の多くは、貧しい農村地域から出稼ぎ目的でやってきた「移民労働者」である。

移民労働者は家族を養うために出稼ぎに来ているため、処遇が悪くても逃げられない。

下請け工場は、このような労働者の背景を利用し、過酷な条件で働かせているのだ。

ファストファッションの環境汚染




2019年、国連貿易開発会議は、アパレル業界を世界2位の汚染産業として指摘した。

アパレル業界は毎年、航空業界と海運業界を足したものよりも多い量のCO2を排出している。

服一着を作るだけで、ペットボトル約255本を製造するのと同等のCO2が排出され、浴槽約11杯分の水を消費するのだ。

国内だけでも、1日当たり大型トラック約130台分の衣服が焼却・埋め立てされている。

アパレル業界から廃棄されるゴミの量は、全世界で毎年9200万トンにも上る。
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文=エシカルな暮らし編集部

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