パイナップルの葉やココナッツの殻など、食品廃棄物が原料の「植物由来」のレザーは、皮革としては機能しない。合成ポリマーを混ぜ合わせ、皮革の特性を付与、または強化しなければ、求められる強度、耐久性、耐変色性などを得ることができない。植物由来のレザーは、実際には「人工皮革」ということだ。
また、キノコの菌糸を原料とする「マイセリウム(菌糸体)レザー」は、別の物質と混ぜ合わせて作られる複合材料だ。米マイコワークス(Mycoworks)が作るマイセリウムレザーは「おがくず」を使用しているが、ほかにも環境負荷がさまざまな複数の物質が使用されている。強度は高まったものの、皮革の性能特性を得るには至っていない。
皮をなめすために、複数の化学物質(毒性はそれぞれに異なる)が使われていることは確かだ。耐水性と耐久性を高めるため、仕上げに合成ポリマーでコーティングされることも多い。
だが、食肉生産の副産物である皮を、プラスチックを使用する代替品に置き換えることは、理にかなったことだろうか?ハインドマーチとアンバーグが支援する活動「#レザートゥルースフリー(#LeatherTruthfully)」は、そう疑問を呈している。
プラスチックを含む人工皮革が廃棄され、埋立て処理された場合の環境影響を比較する評価は、わずかしか行われていない。それにもかかわらず、「ヴィーガン」レザーの市場性とその組成に関する誤った情報によって、人工皮革は皮革よりも、高い支持を集めることになっている。
問題は、その「レザー」がヴィーガンか、動物性かということではない。原料が何であり、どのような方法で生産されたのかということだ。
(forbes.com 原文)