バッグデザイナーであり、自身の名を冠したブランドを運営するアニヤ・ハインドマーチもその一人だ。
「非常に興味深く、革新的な製品が発売されています。私たちは納得のいくものであれば、どのようなもの(素材)でも使用を検討します」
「(ですが、)これまでの調査から、多くの場合においては環境再生型の畜産と食肉生産から派生する副産物としての皮を責任ある方法でなめし、(革に)仕上げることが最も賢明なソリューションであることが証明されています」
一方、皮革を使ったインテリアや家具のデザイナー、ビル・アンバーグは、「レザー」の構成要素について、より厳格な見方を示している。
「植物性のレザーなどというものが、存在するとは思いません……皮革の代替品としては、強度が不十分であり、修理ができず、耐久性も十分ではありません」
アンバーグは、これらの素材は全く異なるものだと指摘する。では、その違いとは何なのだろうか?また、「ヴィーガンレザー」はなぜ、「サステナブル」の代名詞のように捉えられるようになったのだろうか?
2つ目の疑問点についての答えは、植物性レザーに関して「ヴィーガン」という言葉が使われたことだという。この言葉は、素材について説明するものではなく、マーケティング用語だ。
食品業界からファッション業界へと広がった「ヴィーガニズム」とそれが持つ植物との同義性は、不幸にも「ヴィーガンのラベルが付いたものは、すべてが植物性であるとの誤解につながってしまった」という。
だが、実際にはそのラベルが意味するのは、「動物由来ではない」ということだ。結果として、合成ポリマー(プラスチック)を使用する多くの「人工皮革」が、「ヴィーガン」と表示されるようになっている。