コロナ禍を背景に急拡大し、ネットフリックスやAmazonプライム・ビデオなど各社がしのぎを削る動画配信市場。最近は巣ごもり需要が減少し、業界全体で成長が鈍化していた。そんな中でもU-NEXTは、2022年8月末時点の有料会員数が前年同期比115%の275万人に達するなど、右肩上がりの成長を続けている。
動画以外に電子書籍や音楽のサービスを展開するなか、11月1日にはコミックレーベル「U-NEXT Comic」もスタート。次の事業目標のひとつに、知的財産をライセンスとして販売するIP開発を定め、オリジナルコンテンツを強化している。
月額2189円(税込)と競合他社に比べて高価格帯ながら、多くのユーザーに選ばれる理由は何なのか──。
U-NEXTの3つの強み
代表取締役社長の堤天心によると、U-NEXTには3つの強みがある。
ひとつは、映像コンテンツの品揃えの豊富さだ。映画、アニメ、ドラマ、バラエティなど27万本をそろえ、各ジャンルで業界トップの品揃えを実現している(GEM Partners調べ)。年に数回しか視聴されないマイナー作品も取り揃えることで、他の動画配信サービスでは満足できないコアなエンタメファンを取り込んできた。
「例えば、他の動画配信サービスで目当ての作品を見終わった後に、同じ俳優が出ている作品を調べ、U-NEXTで配信されている作品が多いと気づいて会員になってくださるケースがあります」
2つめの強みが、U-NEXTでしか観られない“独占作品”の多さ。堤はこれを「ONLY ON戦略」と名付けている。国内外のスタジオや放送局などと日本での独占配信契約を結んでおり、特に人気のある韓国ドラマは、本国との同時配信なども実施している。
例えば、2021年12月から見放題で独占配信しているHBO Maxオリジナル『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』は、ファン待望の続編とあって多くのユーザーが加入するきっかけになった。
U-NEXTで見放題で独占配信している『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』 ©2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.
「ここでしか観られない話題作も、U-NEXTを選択いただく理由のひとつ。品揃えの多さと独占作品の両方がうまく作用して、会員数の継続的な成長につながっているのだと思います」