映像、漫画、音楽はカニバラない?
2023年4月には、既存の電子書籍サービスのリニューアルも予定している。
リニューアルでは、作品を縦にスクロールしながら読めるWebtoon(ウェブトゥーン)への対応や、アプリをインストールするだけで非会員でも立ち読み的に作品に触れられる仕組みの提供などを行う。これによって、電子書籍サービスもU-NEXTの新たな訴求軸として強化していきたい狙いだ。
「1日の中で、映像を見る時間、漫画を読む時間、音楽を聴く時間は、お互いに喰い合わないという仮説を持っています。映画やアニメを楽しむ時間は、30分や1時間以上の休憩時間や帰宅してから寝るまでの時間など。一方で、漫画は10分や15分単位のちょっとしたスキマ時間に気軽に読める。音楽は作業中や移動中など“ながら”で聴く方も多いですよね」
堤は、コンテンツごとに消費する時間帯が違うため、漫画や書籍を強化することでU-NEXTのアプリを起動する時間が伸びて、エンゲージメントが高まっていくと考える。
さらに、今後はライブ配信にも注力していく。ライブ配信は、音楽だけでなく舞台やスポーツも含めて、U-NEXTの看板ジャンルとして打ち出していく予定だ。
欧米では、動画配信サービスの市場が成熟し、時期と趣味嗜好に応じてユーザーがサービスを選択する時代に突入している。日本は今のところグローバルサービスが強いが、堤はこれから市場が成熟していった際に、さらなるU-NEXTの成長チャンスがあると見る。
「米国ではすでに、同時に3つ以上のサービスを使うことが当たり前になっているので、日本でもそうなったときに、競合サービスと同じ土俵に上がれるかが勝負どころだと考えています」