ビジネス

2022.12.28

NFTアーティストが直面する個人活動の限界 突破口は事業家との共創

IVS Crypto2022で行われた_aucitonの様子


クリエイターをビジネス面でどう支えるか



イラストレーターとしても活動するtama5氏の初個展

水野:tama5さんは_auctionでアートの販売もされていますね。最初から、イラストレーターとしてNFTアートをメインに活動していたんですか?

tama5:いえ、私はもともとはウェディング業界で、ドレスコーディネーターをしていたんです。ただ、仕事を頑張りすぎて心身を壊してしまって。そんな時、イラストを描き始めました。その後は、有難いことに企業さんからお仕事を定期的にいただけるようになり、今はイラストレーターのお仕事一本で活動をしています。

NFTアートについても、たまたま知り合いのイラストレーターさんがそれについて発信していたのがきっかけで興味を持ちました。ただ、仮想通貨やブロックチェーンについての知識が全くなかったので、何もかも手探り。メリットだけではなく、デメリットについても、経験者に相談をしたうえで始めました。

水野:初めてNFTアートを売り出したときの反応はどうでしたか。

tama5:ありがたいことに、1作目から多くの方に見ていただく事ができました。実は友人にNFT界隈で有名なクリエイターが何名かいて、彼らが私の作品のツイートを拡散してくれたんです。それでいろんな方の目に触れたみたいで。今まで出品した作品は、ありがたい事に全部完売しています。

水野:1つ目の作品が売れて、そこからずっとファンの方がついてきてるんですね。

tama5:嬉しい事ですね。始めたての頃は販路拡大を意識して行動していました。例えばSNSで自分の絵を好きになってくれそうな海外の方にDMを送るなど。その甲斐もあって、次第に海外のコレクターさんやクリエイターにも認知してもらえるようになりました。

後に岡山さんと知り合い、_aucitonに作品を出展することになったんです。出品するときには、岡山さんが私の知らない人たちを集めてくださって、新しい層に届くようになったのも嬉しかったです。

クリエイターにとって何より大事なことは、自分のことを知ってもらうこと。でも自分だけでアタックできる層には、やっぱり限界があるんです。

岡山:tama5さんにお会いした時「自分の作品の認知度を上げるため、海外の方にDMを送っていた」とおっしゃっていました。制作やコミュニティ運営をすべて個人でやっていると、作品のマーケティングや事業開発にかけるコストも個人で負担することになっているんだなと感じました。

そこを_auctionが補完できるのではないかという想いで、第2回を開催しました。スクラップアンドビルドしながら_auctionを開催し、提供する便益を具体化していければ、tama5さん含めたくさんのクリエイターがもっと活躍しやすくなるんじゃないかと思ったんです。

_aucitonの運営自体は大変な事も多いですし、収益的に改善が必要な部分もありますが、プロジェクトを推進していくことが好きだからこの事業を続けられています。

水野:ありがとうございました。次回は「Web3のブランド作りやコミュニティの運営で不可欠なこと」について語っていただきます。

文=水野和寛 編集=露原直人

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