あおり運転されてもドラレコが役に立たないことも

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せっかくドライブレコーダーを装備しているのに、事故や煽り運転に遭遇した肝心なときに役に立たなかったという人が4割以上もいました。その理由が、ドラレコを取り付ける際の貴重な教訓を与えてくれています。

さまざまなものを比較するサイト「ズバット」を運営するウェブクルーは、「ズバット 車買取比較」、「ズバット 引越し比較」、「保健スクエアbang! 自動車保険」の利用者を対象に「ドライブレコーダーに関する調査」を実施しました。回答者は20代から80代の男女で、有効回答数は2397件でした。



このなかで、ドライブレコーダーを使っている人は65.1パーセント。そのうち、使っていてよかったことがあった人は38.9パーセントと少数でした。しかし、その理由のトップは「安全運転を心がけるようになった」という意外なものでした。自由回答のコメントを見ると、危険な状況をあとから確認して反省と見直しができたとか、自身の運転を顧みることができたという、交通安全意識の高さが伺えます。「自分の歌声を聞いて自分の歌唱力の低さを自覚した」というメリット(?)をあげる人もいました。

良かった理由の2位は、トラブルの際の証拠として使えたというものです。これこそドラレコの本来の使い方と言えるでしょう。実際、ドラレコを使って良かったことがないと答えた6割の人は、そうした状況に出くわしていないからだと答えています。



ところがこの調査では、煽り運転の被害に遭った人で、ドラレコが活用できなかったと答えた人が44.5パーセントもいることが判明しました。その理由を聞いてわかったのは、ドラレコの選び方と使い方の問題です。



自由回答による理由では、接触の瞬間が記録されていなかった、ぶつけられた相手の車の細かい情報が記録されていなかった、後方カメラを付けていなかったので煽り運転の記録ができなかった、側面衝突の記録ができなかった、後方カメラが脱落していた、別の映像に上書きされてしまっていた、などがあげられています。

つまり、ドラレコの機種選定を誤った、取り付けが悪かった、メモリーが小さすぎたという、オーナーの判断や使い方に問題があったわけです。この調査に参加した人たちは、煽り運転対策にドラレコを付けるなら後方カメラは必須、メモリーは余裕のあるものを選べ、きちんと取り付けろ、という教訓を身をもって教えてくれました。これからドラレコを取り付けようと考えている方は、この調査結果をよく覚えておきましょう。

文 = 金井哲夫

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