AIと人の協力で「もっと美しい俳句」が生まれる可能性、京都大学の実験結果

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本研究は日本語の俳句について実施されたものだが、私はこれを読んで、OpenAIのAI言語モデルChatGPTに英語で俳句を詠ませることを思いついた。実験は必ずしも計画どおりにはいかなかった。英語の音節は日本語と比べてはるかに予測困難だからだ。私がChatGPTに、AIが俳句を詠む能力について、ご・7・5の俳句を詠むよう依頼したところ、以下の結果が返ってきた。

AI’s skilled hand
Crafts haiku with ease, it seems.
Natural as can be.
熟練のAIは
やすやすと俳句を作るようだ
限りなく自然に

一般的な英語の発音では、1行目は間違いなく4音節で、最終行は6音節だ(ただし「natural」は2音節に縮めてnatch’ralにすることができる)。ChatGPTに、5・7・5の俳句の意味を知っているかどうか尋ねたところ、完璧な説明が得られたので、問題はそこではなかった。しかし「AI’s skilled hand」の音節数はいくつかと尋ねると、混乱させる答えが返ってきた。それは4でも5でもなく、ChatGPTによると「6」だという。言い分はこうだ。

「『AI’s skilled hand』という文には音節が6つあります。英語において音節は、通常単語またはフレーズに入っている母音の数で数えます。この文では、最初の単語「AI’s」は2音節(「AI」と「s」)、2番目の単語「skilled」は2音節、3番目の単語「hand」は1音節です。よって、文全体の音節数は6です」

(ちなみにChatGTPは単語3つのうち2つで音節の数を間違えただけでなく、2+2+1の計算も間違えた)

というわけで、どの俳句をAIが作ったかどうかを推測することは、英語で書かれていればそれほど難しいとは思えない。しかし、ここでも人間が構造的に正しいものだけを選んでAIの出力を改善する余地はある。私は俳人たちが、AIをおもしろくて創造的な方法で作品づくりに利用する方法を思いつくと信じている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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