この発表は、昨年両社間で結ばれたパートナーシップを拡大するものだ。OpenAIは、シャッターストックのデータを使ってDALL-Eシステムの人工知能(AI)をトレーニングしたと述べ、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、これらのデータがDALL-Eの訓練に不可欠であると付け加えた。
DALL-Eの統合は、シャッターストックのウェブサイトで今後数カ月以内に開始される見込みで、同社は 「クリエイティブのワークフローを改善する」と述べている。
「我々は、シャッターストックが我々のAPIを通じてDALL-Eの画像を顧客に提供することに興奮している。AIがアーティストのワークフローの一部となる、将来のコラボレーションを楽しみにしている」とアルトマンは声明で述べた。
シャッターストックのアプローチは、AIモデルにインスピレーションを与えるフォトグラファーへの対価の支払いの前例を作ることになるかもしれない。同社は、AIモデルの開発に貢献したアーティストに補償を行い、彼らのIP(知的財産)が使用されるたびにロイヤリティを支払うと述べているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
AIがサンプルデータからデジタル表現を学習し、独創的な成果物を生成する「ジェネレーティブアートAIモデル」について、一部の専門家は、AI検索エンジンが著作権を侵害していると主張している。
AIエバンジェリストの間で人気を博しているにもかかわらず、AI生成画像が商用利用された例はほとんどない。シャッターストックのような大手とのパートナーシップは、この生まれたばかりの技術で持続可能なビジネスモデルを構築するための鍵となるかもしれない
しかし、すべてのストック画像のプロバイダーが、この分野への参入を熱望しているわけではない。シャッターストックの発表の直後、競合のゲッティイメージズは、AI企業のBRIAと提携し、画像編集を中心とした「責任あるAI」ツールを開発すると発表したが、画像の生成は行わない。
ゲッティイメージズのCEOのクレイグ・ピーターズはThe Vergeのインタビューで、この技術をめぐる法的リスクについて懸念を表明した。
「その素材の著作権は誰のものか、その素材を作るために活用された権利についてなど、今、多くの疑問があり、私たちは顧客をその法的リスクの領域に置きたくない」と、彼は述べている。
シャッターストックは、Pattern89、Datasine、Shotzrの3社を買収した後、プラットフォームにAIを搭載した機能を組み込んでいる。これらのツールは、主にユーザーの画像選択プロセスを支援する働きをする。同社のカタログには、2億点以上のロイヤリティフリーのストック画像やグラフィックのほか、ビデオクリップなどが掲載されている。
(forbes.com 原文)