地元新聞社が運営を担う意味
アンカー神戸を運営するのは神戸新聞社とトーマツだ。神戸新聞社は兵庫県では読売新聞をしのぐ販売部数を誇る地元新聞を発行する会社。同社のアンカー神戸ゼネラルマネージャーの篠原佳也(52歳)は言う。
篠原佳也
「実は、当社は2018年から三宮でシェアオフィスを運営していました。今回、運営に手を挙げたのは神戸市の事業にわれわれのノウハウが活かせると思ったからです。新聞社として地元企業にも幅広いつながりがあるので、会員数は3年を想定していた目標を1年ほどで達成できています」
アンカー神戸では、元ベテラン看護師が若手ナースの悩みを聞くカウンセリングサービスや、結婚式で人気のホテルが結婚相談所に経営指導をするサービスなど、業界の慣習や垣根を越えた新しいビジネスも生まれているという。
筆者は2020年までの4年間、この施設を計画する神戸市の責任者であった。どのような施設をつくればいいのかいつも頭を悩ませてきただけに、いまは手が離れたとはいえ、順調に滑り出しを見せたのはうれしい限りだ。ここから生まれる新しいビジネスに心から期待したい。
連載:地方発イノベーションの秘訣
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