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2022.12.15 08:30

2023年、注目すべきキーワードは「デュラビリティ(耐久性)」

Getty Images

その好例として、アディダスのスニーカーがあります。個別のIDで商品を管理し、中古スニーカーの買い取りサービスを通して、サーキュラーエコノミーを推進しています。
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ほかにも、この分野における先駆者の一社として、「Built to Endure (直訳: 耐えるために作られた)」をうたっているパタゴニアがあります。「Buy Less, Demand More」を訴求する広告を展開し、耐久性の高いパタゴニアの衣服を購入することで結果的に購入数が減るため、消費者と環境の両方にとって良いことだと主張しました。

また、アメリカのソックスブランドDarn Toughも、耐久性を強く打ち出しています。一足2000〜3000円と安くはありませんが、3万回の摩耗テストに耐える耐久性を有し、通常の使用で穴があいた場合は商品を無償で交換することを保証しています。代理店によれば、返品率は0.07%に過ぎないそうです。

さらに、「一度しか買わないもの、長く愛せるもの」だけを販売するBuy Me Onceのようなサイトもあります。創業者のTara Buttonは、ル・クルーゼの鍋をプレゼントされたときに、その鍋が美しく頑丈につくられており、かつ永久保証がついていたため、「なぜ自分が持っているものはすべてこのようなものでなかったのか」という点に疑問を覚え、「一度きりの買い物」を目指して2016年に創業しました。
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直すことで生まれる価値がある


筆者の個人的な話になりますが、最近、子どもが2年ほど使っていた野球のグローブの小指の革ヒモが切れたので、メーカーから修理の見積りを取ったら8000円でした。そこで、そのグローブは9000円で買ったことと、新しいものが1万円ほどで買えること、他にも切れそうな箇所があることなどを考えて、修理はせずに新しいものを購入しました。グローブは長く使えば使うほど手になじんで使いやすくなるだけに、とても難しい判断でした。

つまり、商品を長く使ってもらうためには、耐久性のあるモノづくりをするだけでは十分ではなく、過去の故障を分析して修理しやすい製品設計をしたり、直すためのサービス体制や部品管理も必要になるのです。

先ほどのDarn Toughは、保証を通して戻ってくる履き古された靴下を「かけがえのないフィードバック」と呼び、摩耗や損傷のパターンを研究し、改善のサイクルを続けています。

パタゴニアも、新品を買うよりも修理して使い続けることを「美徳」とし、修理サービスを提供しているだけではなく、ユーザー自身でも修理できるように、Worn Wearというプログラムで、修理キットや修理マニュアルを提供しています。
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文=加藤順也 編集=田中友梨

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