完全在宅勤務を実現するための交渉のコツ

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上司から毎日オフィスに出勤するよう命じられる恐れていた日がついに来たあなた。新型コロナウイルス感染症の流行が始まってからは在宅勤務を行い、平均以上の業績を収められていた。

オフィスに戻ることは、長時間働き、家族よりも車通勤に多くの時間を費やすことを意味する。ガソリン代が高騰し、通勤コストが大幅に増えたことは言うまでもない。

人材サービスを提供するフレックスジョブズ(FlexJobs)の2021年の調査によると、回答者の約65%はフルタイムの遠隔勤務を続けたいと答え、半分以上は遠隔勤務を続けられなければ新しい仕事を「絶対に」探すと答えている。

とはいえ、仕事を辞めることを検討する前に雇用主と交渉してみる価値はある。ここでは、遠隔勤務を求める交渉に備えるコツを紹介する。

1. 調査をする

上司と話す前に、会社の在宅勤務の方針を明らかにしよう。新型コロナウイルス感染症の流行前後はどのような方針だったろう? 同僚の中で、交渉により完全在宅勤務を実現した人はいるだろうか? その場合、どのようにして成功させたのだろう? 必要なデータを全て集めることで、必要な場合に活用するための追加のツールを持つことができる。

2. 雇用主にとってのメリットに焦点を当てる

遠隔勤務により営業経費が減り、雇用主には良いことがあると指摘しよう。これは、賃借料やオフィス家具、光熱費、保険、備品といった間接費がなくなることを指す。

コンサルティング企業グローバル・ワークプレイス・アナリティクス(Global Workplace Analytics)の調べでは、IBMは従業員の在宅勤務を許可したことで不動産費を約5000万ドル(約70億円)節約した。また機械学習を扱う企業プロドスコア(Prodoscore)によると、遠隔勤務者の生産性は約47%上がる。

雇用主にはそのほかにも、従業員の業績やエンゲージメントの向上、離職率の減少などのメリットがある。

3. 提案をまとめる

今度は提案書面をまとめるときだ。上司には、提案を真剣に受け止めてほしいはずだ。文書を用意しておくことで、自分がいろいろと考え取り組んだことを示せる。それほど長い文書である必要はないが、次のような点を含めるようにしよう。

・具体的な依頼内容(完全に在宅勤務をしたいのか週に数日でよいのかなど)
・在宅勤務の成功例に、それを示す数字を添えたもの
・遠隔勤務により雇用主にどのようなメリットがあるかと、それを示すデータ
・上司やチームと、定期的に連絡を取る方法

4. 練習する

上司に会う前に、どのようなことを言うか練習しよう。そうすれば面談はより効率的に進み、自信が持てるようになる。さらに、上司が口にする懸念やそれにどう答えるかを予測しよう。対話の指針とするような議題リストを作る必要もあるだろう。
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翻訳・編集=出田静

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