「積極的なマーケティングを展開したりコンテンツに費用をかけたりして会員数を追い求めるのではなく、収益性を追求しなければならない」と語った。
同社のCEOを以前15年間務めたアイガーは3年足らずで退任した前CEOのボブ・チャペックの後を引き継ぎ、驚きの復帰を果たした。
今後の計画についてまだ詳細を詰めている段階だが、11月28日の45分にわたる全社員ミーティングでのアイガーの発言は意思伝達の達人としての強みを反映していた。
アイガーは戦略をシンプルな言葉で明確に伝えるよう努めている。あらゆるリーダーが倣うべき習慣だとアイガーは米オンライン教育プラットフォームMasterClass(マスタークラス)でのリーダーシップについてのクラスで話している。シンプルな意思伝達は、いくつかの優先事項とそうした優先事項を絶えず、そして一貫して明確にすることへのフォーカスを意味する。
MasterClassでアイガーは2005年にDisneyの新CEOとして指名してもらえるよう、どのように役員会を説得したのかを説明することで、その意図するところを示した。長く、中身の濃いインタビュー過程の準備をしていたとき、アイガーは友人にアドバイスを求めた。マーケティング専門家として成功していた友人は、いくつかの戦略を明確にするだけにとどめるべきだとアイガーに注意した。10の戦略ではなく、3つだけ。フォーカスが鍵だ。
アイガーは役員会のメンバーに、主に優先したいことは創造性への投資だと伝えた。その点は変わっていない。社員への直近のメモの中でアイガーは、今後行ういかなる組織変更も「社の中核を成すものとして創造性を尊重する」と書いている。
アイガーによると、どの組織の社員もリーダーの優先事項が何なのかを感じ取る必要がある。「人々を率いるとき、彼らに何を期待しているかを極めて明確にする必要がある」彼がいうには、ビジョンは明確にされなければならず、組織の隅々まで可能な限り多くの人にビジョンを訴えなければならない。
組織は優先すべきことを大きく3つに絞るべきだと友人がアイガーに伝えたことは、アイガーのCEOに挑戦する際のインタビューとCEOを務めるにあたって勝利を導くアドバイスだったことを証明した。
成功を収めたリーダーとして、アイガーはあまりにも多くの優先事項を示すことは顧客、従業員、投資家、パートナー、役員へのメッセージを雑然とさせてしまうだけということを知っている。復帰したばかりだが、アイガーはすでにDisneyの次の章に向けたビジョンを具体化しようとしている。
全社員ミーティングについての報道によると、アイガーは以下の点を明確に示した。
・前任のチャペックが11月に始めた新規採用の凍結を継続する
・意思決定をDisneyのクリエイティブ・チームに戻す新たな組織構造を導入する
・ストリーミング事業の収益性向上に注力する
アイガーによると、優先事項を3つか4つの目標に絞ればやるべきことの半分を終えたも同然で、残るは組織のあらゆるレベルでのビジョンの浸透だ。さらなる全社員ミーティングやテレビのインタビュー、株主への説明など、今後数週間でアイガーは計画をより明確にすると予想される。
意思伝達のスキルはリーダーシップにとって必要不可欠だ。そして効果的な意思伝達はビジョンを描き、それを明確にし、社員みんながやる気に満ちた1つのチームとして動くようになるまで繰り返しビジョンを示すことを意味する。
(forbes.com 原文)