一旦はCEOの座から退いたものの、先週再びCEOに就任したアイガーは11月28日、コストの抑制のために雇用の凍結を継続すると宣言したと複数のメディアが伝えている。
アップルがディズニーを買収するのではないかとの噂に関してアイガーは、「純然たる憶測だ」と述べて、その可能性はまずないとコメントした。
アイガーはまた、前四半期に15億ドル(2080億円)の損失を計上したDisney+やESPN+、Huluなどのストリーミング部門の収益性を重視していくつもりだと述べた。同社のストリーミング事業での苦戦は、株価が2021年3月のピーク時から約50%下落した時期と重なっており、アイガーの復帰によって、同社が新たな大型買収に乗り出すか、アップルとの合併を模索するなどの動きにつながるとの憶測が流れていた。
しかし、アイガーは、ディズニーがM&Aに乗り出すという噂を改めて打ち消し、同社がすぐに大きな買い物をする予定は全くないと否定した。
ディズニーの株価は年初から約39%下落しており、28日にも3%下落した。
前CEOのチャペックの下でディズニーはストリーミング部門で損失を計上したことに加え、フロリダ州では、「ゲイと言うな法案」に対するスタンスを公にしなかったことで批判を浴びていた。この法案は、小学校で教師が性的指向や性自認について話すことや、それを議論することを事実上禁止する内容で、世論の強い批判を浴びていた。
2005年から2020年までディズニーのCEOを務めたアイガーは、20日の突然の発表でチャペックに代わり、2年の任期を開始した。ディズニーの株価はアイガーの再任を受けて21日に7%急騰し、アナリストは「アイガーの魔法が戻ってきたと」と祝福した。
(forbes.com 原文)