この研究を踏まえ、現在、Twitterで起きていることに対する2つの観点から見てみる。
1. マスクは、プラットフォーム上のスパムボット問題を軽減し、検閲のない、言論の自由が守られたデジタル広場に変えるためにTwitterを買収した。これらは感動的で倫理性の高い計画だ。さらに彼は、これらのゴールを現実にするために「つまらない人間になりたくなかったら必ずこいよ」的アプローチを取り、Twitterを一から再構築するという大きいリスクを負った。
Twitterの利用は過去最高になり、残された社員たちは彼のビジョンを実現するべく、会社のために夜を徹して働いている。これは、マスクが彼の先見の明を理解しない人々から集中砲火を浴びている唯一無二の変革型リーダーであることを意味しているのだろうか?
2. 守旧派を追い出し、プロダクトを作り直し、自分の敵対的買収についてツイートする様子は、古典的な自己陶酔的行動と見ることもできる。マスクはTwitterを作ったのではなく、買っただけだ。彼の偽変革型計画の中には、自分が作っていないものに名前を彫る行為の美化バージョンが入っている。
Twitter危機は、少なくとも部分的には、彼が作り出したものだ。「イーロン・マスクの行動には、一からTwitterを作り、経営してきた人たちへの敬意が一欠片もない」という意見が、前CEOを含む解雇された従業員および自ら退職した人たちの一致した考えだ。
見方を変えればヒーローにも悪役にもなる
マスクの楽観主義、変革への情熱、および大胆なリスクテイキングは、彼の類を見ない成功を支えてきた。しかし、もし彼のエゴと無神経さとナルシシズムに流されると、現在の彼を彼たらしめるものと同じ資質が、破滅へと導く可能性はかなり大きい。
いずれ全体像が見えるときがくるだろうが、見方を変えることで同じ状況も、同じ人物がヒーローにも悪役にも見えるというのは興味深い。
(forbes.com 原文)