ビジネス

2022.11.07

イーロン・マスクによるツイッター社員大量解雇、元CEOが遺憾の意

Getty Images

金持ちになると、他人の苦労について何をいっても失敗しがちだ。ヨットに乗り、豪華なホテルに泊まり、映画スターとビーチを歩き、テスラ車を運転しながら生き残るのに必死な労働者に同情する。

だからこそ、Twitter(ツイッター)の元最高経営責任者(CEO)で、自分が共同創業した会社の株を10億ドル(約1466億円)分ほど所有しているジャック・ドーシーのツイートは少し違和感がある。問題のツイートはこちら。

謝罪したのは会社を急成長させすぎたからだそうで、在職中に同社が雇用した多くの従業員が現在失業していることをほのめかしている。イーロン・マスクは約半数の従業員を解雇せざるを得なかったとツイートした。

そのツイートがこちら。

これが意味するところを考えてみて欲しい。

2人の大富豪が、1人は会社を急成長させすぎたと言い、もう1人は人員削減しなければならず赤字だという(マスクは1日あたり約400万ドル[約5億9000万円]の赤字だと指摘している)。一方、現実の世界ではほとんどの人が住宅ローンを払うのに必死だ。

ドーシーは自身のTwitterのフィードで知恵を出し、しばしば瞑想の隠れ家に出かけるような思慮深く賢いCEOだった。最近はまるでシャーマンのようだ。力を持つテクノロジーの巨人が「急成長しすぎた」という考え方は、テクノロジー分野の仕組みを観察してきた人にとって納得しがたいものかもしれない。
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翻訳=溝口慈子

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