現在、SpaceXは米国拠点の職を1000件以上、Indeed(インディード)などの求人サイトで募集している。そのうち15%近くの場所がテキサス州ブラウンズビル、同社のStarship(スターシップ)開発センターの近くだ。別名Starbase(スターベース)、かつてボカチカと呼ばれた活気のない湾岸の村だ。
スターベースは、スペースX創業者のイーロン・マスクがいずれ何千という人々を火星に送り込むことを期待している次世代宇宙船スターシップの開発に集中している施設だ。しかしその前に、スターシップはNASAがアルテミス計画で宇宙飛行士を10年以内に月へ運ぶ手段の1つに選ばれている。
今週、同社はスターシップが、NASAのアルテミス4号ミッションの有力な輸送手段であることを発表した。2027年に予定されている同プログラム2度目の有人月面着陸だ。スターシップは、50年ぶりの有人月面着陸ミッション、アルテミス3号を担当することがすでに予定されており、早ければ2025年に実行される。
.@NASA announced that @SpaceX will provide a 2nd crewed landing demo on the Moon as part of the Artemis IV mission.
— Bill Nelson (@SenBillNelson) November 15, 2022
With multiple planned lunar landers—from SpaceX & future partners—NASA will be better positioned to accomplish our bold missions. https://t.co/Q4BCuN7Om1
そしてそれらのミッションにつながる活動の多くが、スターベースを通じて実行されるかもしれない。スターシップ初の軌道飛行試験は早ければ来月、2022年12月に行われる予定だ。超重量打ち上げロケットのSuper Heavyがスターシップを初めて宇宙に送り出し、短時間軌道に乗った後ハワイ沖に着水する。Super Heavyはメキシコ湾の海上プラットフォームへの軟着陸を試みる。
スペースXは、スターシップ事業の一部をフロリダ州ケープカナベラルに移すことも計画している。しかし、スターシップを宇宙への定期便にして、衛星通信サービスStarlinkの維持、拡大に必要な貨物ミッションと、軌道経由で世界中の2点間をつなぐ高速旅客飛行の両方に使うというマスクのビジョンが実現すれば、スターベースが主要拠点であり続ける可能性は高い。