テクノロジー

2022.11.18 13:00

人間2人を月に送り込むNASAとSpaceXの偉大な計画が始動

アルテミス1の打ち上げ(Getty Images)

今週打ち上げに成功したことで、NASAの「アルテミス計画」が、ついに本格的に始動した。アルテミス1は、NASAの新型重量物打ち上げロケットシステムのSLS(スペース・ローンチ・システム)の打ち上げを見事に成功させ、現在、オリオン宇宙船が月へと向かっている。米国時間2022年12月11日に帰還しカリフォルニア州バハ沖に着水する予定だ。

とはいえ今回の「アルテミス1」は、この先8回以上予定されている月への驚くべきミッションのうちの最初の1つに過ぎず、今回の「オリオン」の飛行を除いてはすべて有人飛行となる予定で、2025年には1973年以来初めて、2人の宇宙飛行士が月面に着陸する予定だ。NASAによれば、アルテミス3ミッションで、女性と有色人種が初めて月面に着陸することになるという。

以下、アルテミス1、アルテミス2、アルテミス3、それ以降のミッションが、いつ、何を達成するのかを、具体的に見ていこう。

アルテミス1が行うこと


アルテミス1は、人類の月への帰還の幕開けを告げるものだ。今回初飛行のNASAのオリオン宇宙船は、欧州サービスモジュール (ESM) とともに月に向かっている途中だ。やがて月の楕円軌道に入り、表面から21マイル(約33.8キロ)の高度まで近付く。そしてその後の数日間で、その先の4万マイル(約6万4400キロメートル)離れた地点に到達する。これは、これまで人類が作ったあらゆる宇宙船が到達した地点よりも遠い場所だ。そして、帰路にはさらに月面に接近して飛行する予定だ。

2024年(アルテミス2)と2025年(アルテミス3)で計画されている月への有人飛行に先立ち、25日間にわたって行われる今回のアルテミス1は、基本的に完全に統合されたシステムだ。

アルテミス2:1972年以来の有人月ミッション


アルテミス1の次は、2024年を目処にアルテミス2が計画されている。これは21世紀最初の有人月周回飛行となる。アルテミス2は、アルテミス1とほぼ同じ内容だが、オリオンの生命維持装置をテストするために4人の宇宙飛行士が搭乗する。合計10日間のミッションで、地球を2周してから月の向こう側4600マイル(約7400キロ)地点に到達する予定だ。

SpaceXのStarshipによる月面試験飛行


2021年4月、NASAはアルテミス3ミッションの中で宇宙飛行士を月面に着陸させるためのStarship(スターシップ)改良型の開発をSpaceX(スペースエックス)に依頼した。その契約の一環として、SpaceXはアルテミス3に先立って、乗組員なしでの月へのデモンストレーションミッションを実施することになっている。

Starshipはまだ軌道上試験飛行に成功していないが、2022年中には成功する見込みだ。


NASAがSpaceXのStarshipを有人着陸船として採用
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翻訳=酒匂寛

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