3. 柔軟な働き方
求職者にとって、柔軟な勤務体制(「いつ、どこで働くか」といった事柄)は引き続き、就職先に求めたい要素の一つとなっている。
リンクトインのリポートでは、雇用主側はリモートワークの求人数を減らし始めているのに対し、求職者側はリモートで働きたい傾向が強まっていることが浮き彫りになった。
リンクトインに掲載されたリモートワーク求人数は、米国では2022年2月に史上最高に達し、この国における求職案件全体の20%を占めた。さらに応募者数で見ると、リモートワーク案件が占める割合は50%以上に達していた。しかし9月になると、リモートワーク求人数の割合は全体の14%まで下がった。一方で、米国の応募者数に占める割合は52%と、依然として高い水準を維持している。
4. スキルアップと5. キャリアアップ
新たなスキルを得られる機会と、社内でのキャリアアップの機会も非常に求められており、求職者が優先する条件でそれぞれ4位と5位を占めた。
リポートの中で、リンクトインの人材開発担当バイスプレジテントを務めるリンダ・ジンファン=カイ(Linda Jingfang Cai)は、こう解説している。
「働く人々は、経済や市場の状況に関係なく、職場で学び成長したいという気持ちを持っている。この思いはほぼ間違いなく、自身、そして上司に対する問いかけにつながる。つまり、『報酬アップや昇進、あるいは夢見た役職に就くために、どうしたら私はもっと向上できるだろう?』という問いかけだ。
業界や地域によって多少の違いはあるものの、企業がこうした問いかけを放置するようであれば、従業員は、よそでより良いチャンスが見つかったとたんに会社を辞めてしまうだろう。そうした状況が、今回得られた新たな調査データから浮き彫りになった」
求人市場の先行きは全体的に暗いように見えるが、良いニュースもある。
今回のリポートでは、社内での異動が、従業員の引き留めにプラスの作用を及ぼす可能性が指摘されている。社内異動があった従業員は、全くなかった従業員に比べて、2年後も同じ会社に留まっている可能性が75%アップするという。
ジンファン=カイは人材獲得責任者に対し、社内でのキャリアパスを各人が主体的に選ぶ形への転換を促している。
「従業員が職場にやってきたその日から、会話を始めるべきだ。学習や成長、そして最終的には社内でのキャリア・トランスフォーメーション(CX)の可能性について」と、ジンファン=カイはアドバイスした。
(forbes.com 原文)