銀河一の裸眼天体観測者になる方法


自分の手を使う


ファゼカスは「初心者のスカイウォッチャーが夜空の探索を学ぶときによく起きる誤解の1つは、上空の星座や星の大きさに関連しています」 という。

ファゼカスの本で使われている良い技法は、伸ばした手を測定器として使う方法を身につけるというものだ。不思議に聞こえるかも知れないが、それは距離を判断するのにとても有効な方法なのだ。これがうまくいくのは、人間が相似形に作られているからだ。たとえば背の高い人は、手と指のサイズが体のサイズに比例するため、腕が長くなる。

そのため、誰でも腕を伸ばして、指や手だけで夜空の簡単な計測ができるのだ。ファゼカスは、たとえば伸ばした状態で広げた手は、北斗七星の柄杓(ひしゃく)の柄の最後の星と柄杓の先の星との間の25度の距離にほぼ等しいと指摘する。

天文クラブに参加する


真空中を1人で天空探索してはいけない。ファゼカスは「天文クラブに参加したり、オンラインフォーラムに参加したりすれば、趣味のさまざまな段階で同じような考えを持つ人たちと出会うことができますし、趣味のさまざまな分野にインスピレーションを与えることができます」という。「天体写真撮影、彗星や小惑星の探査、超新星の探索、さらにはプロの天文学者の太陽系外惑星の探索に協力する市民科学プロジェクトなど、さまざまなものがあります」

光害は忘れよう


もし、巨大都市に住んでいてその地域の光害がひどく、星空観察が不可能だとしたらどうすればよいだろうか? いい訳はそこまでだ! 大都市の明るい光の下でも、都心の高層ビルのバルコニーや郊外の裏庭から、多くの天文観測が可能だ。「夜空や主たる明るい星座、それらの中の最も明るい遠距離天体を学ぶことなどは、すべて明るい都市やその周辺で行うことができます」とファゼカスはいう。光害は、少なくとも最初のうちは、実は天文学をやりやすくするものなのだ。「光害により、最も明るい光源以外はフィルターで遮られるため、夜空の探索を学び始めたり、明るい星座(オリオン座、カシオペア座、白鳥座、さそり座など)を追いかけたりすることを簡単にしてくれます」とファゼカスはいう。

さらに、都市生活者なら誰でも月を肉眼で見ることができるし、水星から土星までの主要な惑星はすべて肉眼で見ることが可能で、小さな裏庭の望遠鏡で探索することができる。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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