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2022.10.29 08:45

石油大手BPが買収、埋立地メタンガス再生企業の魅力的なビジネス


「バイオガス」メーカーとしてすでに米最大であるBPは、アーキア・エナジーの急成長と多額の利益につられた。アーキア・エナジーの埋立地から出力されるガスは、過去1年で、570万mmBtu(百万英国熱量単位)から1000万mmBtuに増加し、営業利益は1億5000万ドルに迫っている。

そして、アーキア・エナジーはまだ始動したばかりだ。同社が進めている埋立地ガスプロジェクトは、廃棄物処理大手リパブリック・サービシズとの合弁事業を含めて、80を超えている。また、2030年までに生産量を5000万mmBtuまで拡大することも視野に入れている。

米連邦政府が補助金を出していることで、このグリーンビジネスはドル箱となっている。通常の天然ガスの売値は1mmBtuあたり約7ドルだが、埋立地から発生するガスなら1mmBtuあたり33ドルになる。というのも、2022年8月に成立したインフレ抑制法で、税額控除が拡充されたからだ。

バーンスタイン・リサーチのアナリスト、オズワルド・クリント(Oswald Clint)は、BPはアーキア・エナジーを買収したことで、バイオガス事業を拡大し、2030年までに1日あたりの生産量を5万2000mmBtuから40万mmBtuに引き上げることが可能となり、利益は5倍以上の10億ドルに急増すると推測する。エネルギー単位で考えると、BPは、バイオガスによって石油の2倍の利益を出せることになる。

ライス兄弟は目下、手にした7億2000万ドルを再投資するという課題を前にしている(申告書によれば、アーキア・エナジーの2770万株は、1株26ドルで売却された)。この課題に問題はないはずだ。ライス・インベストメント・グループはすでに、エネルギー分野のスタートアップ10数社に出資している。一方、ダニエルも2社目のSPACを率いており、このSPACは、2023年6月までに買収をおこなうという条件のついた3億5000万ドルの現金を持っている。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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