ジョンの肺は、中程度の過膨張を起こしており、平時の残気率(完全に息を吐ききった時に肺に残った空気の量)は24%と、標準の30%を下回っていた。
診断結果から、ジョンが末梢気道閉塞を起こしていることがわかった。これは、喘息でよくある症状だ。異なる薬を処方され、運動量を徐々に増やしていくようアドバイスを受けて、ジョンは病院をあとにした。
3カ月後には、運動しても疲れにくくなり、息切れも改善した。こうした良好な結果が得られたのは、身体機能の回復を目指したフィジカルコンディショニングと、食生活の改善、指示どおりに服薬したことが原因だと、ジョンは考えている。
こうしたことから、末梢気道閉塞と肺の過膨張が、呼吸機能障害と運動耐性に大きな影響を与えていたことがわかる。
ジョンと同様に、新型コロナウイルスへの感染後に息苦しさや息切れ、運動耐性の低下に見舞われ、医師の介入を受けて症状が改善した子どもが多くいる。
米有数の呼吸器科を擁する国立ユダヤ医療研究センターでは、コロナ感染後に呼吸機能障害を発症した子どもたちについて検証した。
吸入器を処方し、運動療法を実施すると、ほとんどの子どもたちが、治療期間中に健康状態が少しずつ改善した。後に解消した症状もあるが、治療によってその回復が早まったと医療機関は考えている。
新型コロナウイルスに感染すると、その後も何カ月にわたって症状が消えず、呼吸器合併症を引き起こす可能性がある。できる限り良好な転帰となるよう、子どもやティーンエイジャーが感染後に息苦しそうな様子を見せていたら、専門医の診断を受けるべきだ。
(forbes.com原文)