この区別は、特にリーダー的なポジションに移るときに重要だ。非管理職から管理職になるとは、肩書きや(願わくば)給料、そしてオフィスの場所が変わるだけではない。管理者は、特定の責任を負うのだ。また、管理職の果たすべき職責への準備ができていない社員は、自分自身や会社に対して貢献ではなく思わしくない影響を及ぼすかもしれない。
2020年に行われたSociety for Human Resource Management(人事管理協会)の調査によると、米国の労働者の84%がトレーニング不足の問題のあるマネージャーが、職場に不必要なストレスと仕事を増やしていると考えていることがわかった。何が人を駄目な管理者にするのだろう? 調査回答者の視点からは、人を管理するためのトレーニングが不十分であったことが問題だったと指摘されている。つまり、そうした批判を受けるリーダーは、自分自身や雇用者の計画不足のために、まだ役割を果たす準備ができていなかったということなのだ。
ここでの要点は単純明快だ。管理職になりたいのであれば、しっかりとした準備が必要だ。そうしなければ、あなたとあなたの直属の上司は、すべてを把握しようと努力する最初の数週間にとどまらず、その後も困難に直面することになるかもしれない。
現在の自分が管理職に適しているかどうかは、どのように判断すればよいのだろうか? 以下の質問に正直に答えて欲しい。
1.今の職場で成功しているか?
ピーターの法則(参考:Wikipedia)という言葉を聞いたことがあるかもしれない。その法則では、多くの組織では、人は階層構造に沿って、能力が不足するレベルまで昇進し、キャリアの停滞につながることが示唆される。ピーターの法則が完全に正しいかどうかは問題ではない。誰しも、能力に対して高すぎる(と思われる)地位にいる同僚に出会ったことがあるのではないだろうか。もちろん同じような状況には陥りたくない。
ピーターの法則の例にならないようにするためには、現在の仕事で鋭い洞察力を発揮することが大切だ。デジタルと物理的な世界を横断した感覚的なストーリーテリングによってブランドを支援する、デザインテクノロジー企業のBluewater(ブルーウォーター)の最高収益責任者であるボブ・マーシュは、これが何を意味するかを説明している。「目標を達成または超越できない従業員は、昇進する準備ができていません。たとえば、セールスマンからセールスマネージャーへの転身を目指しているとしましょう。売上目標を上回るために必要なことを100%実行し、数年にわたって良好な社内関係を築けていなければ、管理職として真剣に考慮されることはありません」
過去の業績記録を簡単に確認してみよう。あなたは一貫して、純粋に自分の力を出し切って、成功しているだろうか? もしそうでないなら、自分のスキルのギャップを認識し、適切な補完を行って欲しい。メンターや上級トレーニングなどの支援を求めよう。