新しいベースモデルの設定は、新しい領域に踏み込むサイン?
同時に発表されたM2(MacBook Airに搭載された最新のMac向けSoC)搭載のiPad Proは、M2に新規に搭載された処理回路によってApple Pencilにホバー機能が追加されたことが話題だ。これはApple Pencilのペン先が離れている場合でも、12mm以内なら位置と角度を検出できるというもので、ユーザーインターフェイスを大きく改善できる新しい要素だ。
しかしこのM2には、Media EngineというSoC内ではかなり大きな面積を占有する回路が組み込まれている。高精細な動画データを高速に扱うための回路で、ほぼ動画編集専用といってもいい処理回路である。
早速、ブラックマジック社がiPad Pro向けの動画編集・カラー補正アプリ「DaVinci Resolve」を発表している。加えてMedia Engineとは無関係だが、プロフェッショナル向けの3D映像制作アプリ「Octane X」もiPad版が提供される予定だ。
アップル自身が、このパフォーマンスを使わないという選択肢はないだろう。アップルが提供する動画制作、あるいは音楽制作のMac向けアプリもiPad向けに開発され、タッチパネルとApple Pencil、美麗で正確な色再現が可能なHDRディスプレイを持つiPad Proは、またその応用範囲を拡大していくのではないだろうか。
2018年から始まったiPadの(アップルのラインナップ内での)刷新が第10世代iPadで一段落するとするなら、その次に考えられるのはiPad Proの大幅な刷新だろう。
それがいつになるのかはわからないが、来年の開発者向け会議(WWDC)が開催される6月ぐらいが、一つの目安となってくるかもしれない。