米国に本社を持つ世界的事業者団体ICSC(ショッピングセンター国際会議)は先日、年末商戦に関する意向を調べた調査結果を発表した。
この調査では、インフレが消費者の間で最も懸念されていたものの、買い物客は支出を継続することが見込まれていて、ICSCは食事を含めた出費総額が10~12月の間に約1兆5600億ドル(約235兆円)になることを予想している。
消費者が今年の年末商戦で支出する予定額が増えている主な理由はコストの高騰にあるが、今年はより盛大に祝うことを計画していると答えた人は20%、家族や友人に追加で贈り物を買うことを計画していると答えたのは25%だった。
ICSCのトム・マギー社長兼最高経営責任者(CEO)は調査結果の発表に際し、「買い物客はインフレと経済的な苦境にもかかわらず支出を継続している。今年は価格の高騰により年末の支出が一部増える一方で、小売企業は全体として好調な年末を迎えられるだろう」と述べた。
小売店やショッピングセンター、モールにとって特に有望な兆しは、消費者が今年店舗で過ごす時間がコロナ禍の過去2年間と比べて増えると見込まれている点だ。
ICSCで調査・広報活動担当副社長を務めるステファニー・セギエルスキは「2年前、人々はネットショッピングに非常に慣れてしまい、店舗での買い物には二度と戻ってこないだろうとばかり言われていた。しかしネットショッピング率は新型コロナウイルス流行前の水準に戻っていて、人々が店舗に戻りつつある」と述べた。
セギエルスキは「人々は、年末を通じて店舗での買い物を続けると思う。外出すると良い気分になるし、人々は店舗を訪れ装飾を見ることを楽しむのだ」と述べた。
消費者はまた、ネットで購入して店舗で受け取る選択肢を今も多く利用している。セギエルスキは「こうした買い物客の3分の2は、注文した商品を受け取る間に追加で買い物をする。小売業者にとっては大きなメリットだ」と述べた。
調査を受けた買い物客の57%は、配送遅延を避けるため店舗で商品を受け取ることを計画していると答えていた。これは、2021年の調査から17ポイント増えている。