スタートアップのAVILENに訪れた、いきなり「全国民が利用者」
インタビュアー(曽根康司):AVILENとして、巨大企業、日本郵政グループの一員であるJPデジタルとの事業連携の話を聞いたとき、率直な印象はいかがでしたか?
AVILEN髙橋社長:日本郵政グループといえば、「日本郵便」の郵便事業がありますが、郵便事業が担う物流(ロジスティクス)は、デジタル、DXと非常に相性がいいと常々感じていました。そこに今回のお話をいただき、ワクワクしたというのが、率直な印象です。以下、具体的にお話ししましょう。
まず「物流とDXと非常に相性がいいと常々感じていた」点について、DXはもはやほぼ全ての分野で重要な変革ですが、物流においてそのインパクトの大きさがあげられると思います。国交省の「総合物流施策大綱(2021~25年度)」にもありますが、需要は増加し人員が不足している中で、デジタルは自動化・効率化・質の向上などに様々な点で良い影響を及ぼすことが可能です。
例えばWMSなどのソリューションがありますが、大量の商品の在庫管理など、漏れなく大量の情報の管理や情報を元にした判断が必要なシーンが多く存在しており、デジタルで情報を管理し、活用することでミスの解消・効率化・データを元にした意思決定の質向上などに繋がります。
次にワクワクした点ですが、私達が進めているDXやデータ活用はそもそも顧客体験を改善出来ることが重要な目的の1つで、その普及をもって世の中をより良くしたいという思いがあり、「最新のテクノロジーを、多くの人へ」というビジョンを掲げています。その中で、日本郵政グループの規模は極めて大きく顧客は全国民であり、その顧客体験向上を目的としたDXに貢献出来ることは最高の機会です。
また、日本最大規模の企業のDXは簡単ではないはずでそのハードルを一緒に乗り越える面白さ、そしてそこで培った経験は会社の価値にもなると考えており、ワクワクしていました。
同時に、スタートアップであるAVILENが、全国民が利用者である日本郵政グループの支援に参画できるということは、非常にやりがいを感じました。
また、心配していたスピード感も杞憂でした。JPデジタルとの事業連携は想像以上のスピードで話が進み、現在進行形として、今も動いています。
AVILEN大川取締役:私も素直に大きな可能性を感じました。DXというとシステム導入やツールの話が先行しがちですが、人と文化の変革が肝要だと認識しています。
お話をいただいた当初は、正直、固い、カチっとした空気感がありましたが、会話を続けていくうちに互いの信頼感が醸成されて、これは変えていけると思いました。また、日本郵政グループの方はコミュニケーション全般が丁寧で、我々のようなスタートアップにも対等に接してくれたことも、とても嬉しかったです。