20秒で認知症かわかる?認知機能を測定する電話サービスが出現


自身と家族がいち早く気付き→予防アクションへと誘導


このプロジェクトの立役者ともなったのが、NTT Comのビジネスソリューション本部・第一ビジネスソリューション部・営業課長代理の武藤拓ニ。菅原副社長が冒頭で述べた「一人の社員の経験からこのプロジェクトがスタートした」社員。


NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部・第一ビジネスソリューション部・営業課長代理 武藤拓ニ氏

また、NTT Comが企業の皆さまと共に事業コンセプトを創出し、社会実装することを目指し、様々な分野の有識者で構成している「カタリスト」の一人でもある。「認知症は、発症すると完治が難しい病気と言われています。祖父が認知症の症状が出始めた時、私はまだ高校生で、今から20年前。その頃はまだ認知症に対しての理解やテクノロジーが存在していませんでした。なので、私達家族がその症状に気付いてあげられなかったのが今でも悔やまれます」

「在宅介護で苦労した家族の姿が記憶に刻まれている経験から、この電話を通して認知症予防や進行を遅らせるケアを早い時期から行い、重度になる前に手当てを考えるきっかけになれば、と心から願っています」。このフリーダイヤルに掛けて判定結果がどう出たか?よりも、先ずは試してもらう行為そのものが認知症に対する理解を深める事になる。

認知症と共存出来る、未来へ向けた未知数プロジェクトへ


現在この電話サービスは、試験的に実施しており、2023年3月いっぱいは継続予定。電話の後に送られて来るメッセージ内容についても今後アップデートしていく予定。来年度以降は、使用状況の推移によって、新サービスに移行する可能性も秘めている「生きた認知症対策」と向き合う身近なツールだ。他人事から自分事へとなり得る認知症問題に、一石を投じるNTT Comの真摯な取り組みに、今後も注目していきたい。

文=中村麻美

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