20秒で認知症かわかる?認知機能を測定する電話サービスが出現


精度93%の技術的背景とは?


利用方法は、3ステップといたって簡単。①フリーダイヤル0120-468354に電話をかけて→②日付と年齢を答えると→③AIが認知機能の低下がみられるか否か判定し、数秒~数十秒待つと、結果を音声で伝えてくれる。これは、認知機能の変化を測定するサービスなので医療行為ではないものの「最近、小さなもの忘れが増えた」と悩む自分自身や、「認知機能検査を受けて欲しいが、なかなか切り出せない」という家族にも、匿名で気軽にトライ出来るのが画期的だ。

気になる精度は、軽度認知症正分類率93%。こんなにシンプルな質疑応答だけで認知機能の低下をチェックできる技術背景を、NTT Comのビジネスソリューション本部・スマートワールドビジネス部・スマートヘルスケア推進室長の久野誠史が語る。


NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部・スマートワールドビジネス部・スマートヘルスケア推進室長 久野誠史氏

「日本テクトシステムズ社の独自のアルゴリズムと弊社のフリーダイヤル、クラウドサービスで実現しました。『神経心理検査』で用いられるスケールで重要なファクタである時間見当識と複数のパラメータに分類される声の特徴量で、認知症の疑いがあるか否かをAIが判定します」。こうして、昔から慣れ親しんできた「電話」と、現在様々な分野で活用されている「AI」がタッグを組み、「誰もが簡単に使える」脳の健康チェックツールが完成した。

異業種パートナーとの共創モデルを推進


このサービスは、個人が電話をかけて、自分の認知機能の状態を知るだけでなく、パートナー企業との共創モデルを推進していく目的もある。「例えば、『病院』と連携する事で、早期の受診に繋げたり、ダイレクトバンキングなどの『金融サービス』も脳の健康チェックを受ける事で安心した金融取引が実現出来ます。また、安全な運転&作業が重要となる『運輸業や建設業』の作業前にチェックする事も有効です。

このように、今後は、共創パートナー様と一緒にこのサービスを色々なシーンへ活用出来るように発展させたいと考えております」。既に、MS&ADインシュアランスグループ、SHARP、SOMPOホールディングスが賛同し、共創モデルの検討を開始している段階だという。
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文=中村麻美

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