また、普通のプラスチックより早く分解されるとしても、環境を汚染することに変わりはない。
岡山県では、牡蠣養殖の1つの工程で養殖パイプの代わりにロープを使っており、プラスチックごみを削減できているため、ほかにもサステナブルな代替手段を探っていく必要がある。
養殖が引き起こす環境問題
ここまでは牡蠣の養殖に注目してきたが、養殖業全体ではどのような問題が起きているのだろうか。
養殖は計画的に魚を育てることができる一方で、養殖場を作るために沿岸の自然を壊したり、化学薬品や与える餌によって海を汚したりすることがある。
さらに、養殖場から出る排水や廃棄物は赤潮や青潮の発生原因となり、環境汚染を引き起こすとともに、海や河川の環境を変えてしまう恐れもあるのだ。
養殖業との向き合い方
養殖業は、安全・安心な魚介類を食卓に届ける産業だ。しかし、一部の養殖業では使っている道具が劣化し、海に流出してゴミになっている現状がある。
レジ袋やストローといった目に見えるプラスチックのほかにも、牡蠣の養殖パイプのような見えないところで発生しているプラスチックがたくさん存在する。
日常の何気ない消費行動における裏側の問題にも目を向け、納得できる選択を意識していこう。その輪が広がることで、問題点が明確になり解決へのスピードも早まるだろう。
【参考】
・OPRI海洋政策研究所
https://www.spf.org/opri/newsletter/447_2.html?latest=1
・瀬戸内海に漂流漂着するカキ養殖パイプ類の実態
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/77/1/77_1_23/_pdf
※この記事は、2022年7月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。