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2022.10.12 17:00

小さく閉じがちな世界で、いかに共感の場を形成するか|金沢21世紀美術館 長谷川祐子

田中友梨
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若者の中では、圧倒的にビジュアルシンキングが進んでいます。加えて、SNSなどを通じて独特の言語感覚が生まれているので、それらが複合して新しいナラティブができる予感もしています。

また、これは若者に限りませんが、リアルでもオンラインでも、自分と同じ感覚を共有できたり、自分を肯定してくれたりする存在だけがいる小さなコミュニティをつくって、そこに閉じやすい傾向があるようにも感じています。

そうした世界にいると、カウンターとなる意見も批評もないため、結果的に世界を多角的に見られなくなり、非常に極端な方向に偏ってしまう可能性があります。予測不能な意見に出会いづらくなっている現代だからこそ、多角的に他者の視点を取り入れていく姿勢を持つことが大事であり、成功するかどうかを大きく左右すると思います。

一方で、U30世代はネットで過去のデータを得ることができさまざまな限界を知っているので、非常に現実的な視点を持っています。根拠のない夢は抱かず、自分たちのアクションでどうパラダイムシフトを起こせるだろうか、と冷静に見つめているように思います。

そうした思いを持った同世代の仲間がつながることで、新しい視座が生まれて、多くの人を巻き込んでいくことができるのではと期待しています。

信じて突き進めば、助けてくれる人が現れる


──長谷川さんご自身は、どのようにしてアートの道に進んだのでしょうか。

子どものころは、大人のような物言いをするかわいらしくない子でしたが、想像することが好きだったため、そのころからアートや文学に触れていました。当時から、一度見た作品を忘れなかったり、絵を見るだけでどの画家が書いたか判別できたりといった、視覚的な記憶力が特に優れていました。

そのため「アーティスト、クリエイターになりたい」という夢を抱いていたのですが、家庭の方針で大学は京大法学部に進学。けれど、やはりアートの道が諦めきれず、大学卒業後に自分で学費を工面して東京藝大に入学しました。



その後はどんな職に就くべきか迷いつつ、写真や映像を撮ったり、アーティストにインタビューをして記事を書いたりしていました。今思えばそうしてアートへの関わり方を模索していた時期も充実していましたね。

不思議なもので、何かを信じて突き進んでいると、必ず助けてくれる人が現れるものです。相手の仕事にリスペクトを持ちつつ、無知でありながらも「学びたい」という強い思いを持っていたのが伝わったのか、いろんな人が手を差し伸べてくれました。

当時から「アートは、自分の今生きている世界を超えて、想像力を伸ばしてくれる世界」という揺るぎない考えを持っていたことも、周りに気に留めてもらうきっかけになったようです。
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文=倉本祐美加 取材・編集=田中友梨 写真=本人提供

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