この流れを呼び戻したのは楽天だ。
2017年、NBAが初めてユニフォームへのスポンサーシップ導入を決めると、楽天は強豪ゴールデンステート・ウォリアーズに協賛。さらに日本における放映権も2億2500万ドル(USAトゥデイ調べ)で取得、現在に至るまでNBAの日本における権利を独占している。
この巨大契約により2019年には16年ぶりにジャパン・ゲームズが開催され、プレシーズン・ゲームではあるもののNBAが再び日本に戻って来た。また、同年6月のドラフト会議では、八村塁が日本人選手として初めてドラフト1巡目指名を受け、ワシントン・ウィザーズに入団。2021年に開催が予定されていた同ゲームは、新型コロナの余波で22年に順延となり先日、9月30日、10月2日に、ウォリアーズ対ウィザーズ戦として八村の凱旋試合が実現した。
アジアで高まるバスケ熱 日本開催の意義
NBAのアダム・シルバー・コミッショナーは「日本のファンのみなさんにもう一度プレシーズンゲームをお届けすることができ、非常に興奮しています。日本におけるNBAの人気は高く、バスケットボールをさらに発展させるための三木谷社長と楽天による継続的なご尽力に感謝しています」とコメントが寄せ、楽天が重要なパートナーのひとつであると示唆した。
来日したマーク・テイタム副コミッショナー兼COO(左)、ラメズ・シェイク・アジア地区マネージング・ディレクター(右)
日本開催に際し、マーク・テイタム副コミッショナー兼COOおよびラメズ・シェイク・アジア地区マネージング・ディレクターが来日。両者は試合当日、記者団の取材に応じ、テイタム副コミッショナー兼COOは「2019年から3年ぶりの開催は、(日本での)通算15と16試合目になり、(NBAのグローバル戦略において)記録となっています。バスケ、NBAの人気が日本でも高まり、アジアでもバスケ熱が高まっている中、日本での開催に意義があります」と挨拶した。
また「NBAのミッションは、世界中のファンを触発し、バスケットボールに人と人をつなぎ合わせることです。この3年間は世界中がこれまで誰も想像していなかったパンデミックという困難を経験した。それを乗り越えた上で実際に日本に足を運び、友人知人に会えるのは嬉しい。(来日した)2チームも同様でしょう。日本を訪れ、文化を体験できることは、大きな意味を持ちます。日本のファンと触れ合える特別さをチームのみんなが噛み締めています」と日本開催の意義を訴えた。
凱旋帰国となった八村塁もこの日本開催の意義について、試合後の会見で「日本に、このアリーナ(さいたまスーパーアリーナ)に戻って来ることができた。去年はオリンピックだったにも関わらず無観客だったのが、今日は満員。その中で(昨季王者の)ゴールデンステート相手に試合ができ素晴らしい。この母国で、日本で、バスケができ、夢見ていたことのひとつだし、幸せで素晴らしい瞬間でした」と語った。