スタート当初はEコマースのみのビジネスだったが、以来、米国、カナダ、欧州全域で、4万3000カ所の小売拠点を擁するまでに拡大している。
美容セクターにおけるコロナ禍の影響
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、米国市場で生活必需品を除く小売店の多くが閉鎖されていた時期には、消費者はEコマースや、ハイブリッド形式のショッピングモデル(オンラインで購入して店舗で受けとる、など)に頼らざるを得なかった。
オネストのニック・ヴラホス(Nick Vlahos)最高経営責任者(CEO)は、次のように述べている。「パンデミック中に、デジタル関連の要件を満たすことができたのは、オネストのようなオムニチャネルに強い美容小売事業者だけでした。そして、顧客が店舗に戻りつつあるいま、当社はそうした顧客にもサービスを提供することができます」
現在の拡大計画は、米国市場におけるオネストの勢力範囲を広げるのに役立つと見られている。
全米の顧客にとって重要なのは、それぞれがいちばん便利に利用できる店舗で製品を購入できることだ、とヴラホスは述べている。
米国では、90%の人がウォルマート店舗の10マイル(約16キロ)圏内に住んでいる。ウォルマートが、特に強力な存在感を発揮しているのが米国南東部だ。ヴラホスによれば、ウォルマートとの提携以前には、オネストの製品がほとんど流通していなかった地域だという。
「当社は、南東部ではあまり注目されていません。新生児の42%がその地域で生まれていることからすれば、南東部の顧客が当社製品を確実に入手できるようにする必要があります」
米国4位のスーパーマーケットチェーン、パブリックスは、1248店舗のすべてでオネストの製品を扱う計画だ。
最近では、美容部門の「オネスト・ビューティーが、635店超のアルタ・ビューティー店舗に進出した。新発売のスキンケア・ライン「オネスト・ビューティー・クリアリング・コレクション」も含めた製品は、店舗でもオンラインでも購入でき、オムニチャネルの存在感を高める同社の取り組みを後押ししている。