正直に言ってしまえば、この服をパッと見た時、そう感じる人が多いのではないだろうか。(下の写真参照)
ただ、侮ることなかれ。未来の「宇宙旅行」を快適にしてくれるかもしれない一着なのだ。
宇宙生活の「困りごと」を解決するため、衣服生産プラットフォームサービスを手がける「シタテル」と、アウトドア用品の「スノーピーク」が手を組み、JAXAによる厳正な審査のもと、宇宙船内服を開発した。究極の「ノンストレス・ウェア」を追求している。
国際宇宙ステーションにて搭載される宇宙船内服の一般仕様品「Space Life Comfortable」:Space Life Comfortable Pullover
この船内服は10月6日午前1時(日本時間)に打ち上げが延期されたクルードラゴン宇宙船5号機(Crew-5)に搭載され、ISS(国際宇宙ステーション)で作業する若田光一飛行士が着用する予定だ。
また、一般向け仕様の地上販売品「Space Life Comfortable」シリーズとして、プルオーバー(27500円)とロングパンツ(28600円)が10月4日、スノーピーク直営店とオンラインストアで発売された。カラーはブラックのみで、S・M・Lの3サイズ展開、ユニセックスのデザインだ。
宇宙船内服には、どんな秘密が隠されているのだろうか。開発秘話を聞くと、宇宙生活の意外な一面が見えてきた。
「宇宙空間でのQOLを追求」
2020年7月、シタテルがJAXAによる「THINK SPACE LIFE」プラットフォームにインキュベーションパートナーとして参画したことで「宇宙船内服」づくりが始動した。
以前よりシタテルは、JAXAの地上で働く人たち向けのオリジナルウェアなどを制作したことで宇宙業界に少なからず縁があったという。今回の宇宙船内服では、企画段階初期から「宇宙空間でのQOL(Quality of Life)を追求する衣服を」という方針があり、多くの企業が参加するなか、スノーピークも「宇宙空間での生活という人々の未来における新たなライフスタイルの創造に貢献したい」と参画した。
両社ともに宇宙空間向けの製品づくりは初めて。宇宙飛行士たちのニーズを把握するところから始まった。