──医療の発展によって産むまでの安全性が高まる一方、今後はより産後のケアや支援を手厚くしていく必要もありそうですね。
それなりにお金がかかるので誰しもが利用できるわけではありませんが、産後のケアホテルも少しずつできています。授乳のサポートや胸のマッサージ、沐浴指導を受けたり、夜間に赤ちゃんを預かってくれたり、ご自身のケアとしてのオイルマッサージなどのリラクゼーションを提供しているところもあります。
最近では、そうした産後ケア施設の利用に対して、条件に応じて助成金を出している自治体もあります。日本ではあまり産後ケアに重きが置かれていませんが、産後はうつ病の予防や体力回復のために、かけられる人は多少お金をかけてでも、本来は赤ちゃんだけでなくご自身のケアも大事にするべき時期なんですね。
親がうつ病になってしまうと、それこそ子育てにも興味や喜びを失ってしまうので、子どもにも影響が出てきてしまいます。産後うつは、早期発見できれば支援を得て、環境を整えることで予防することもできますし、軽度のうつ病であれば1年以内に自然に治っていくことも少なくありません。
──誰もがなり得ることを前提に、孤立しない・させない子育て環境をつくることが、産後うつを予防する重要な鍵になりますね。
※この記事は、2022年3月にリリースされた「柿の木便り」からの転載です。