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2022.10.05 13:30

エリダヌス座に「超地球型」太陽系外惑星発見、居住可能性は2番目に高い


LP 890-9cは実際に居住可能なのか? それはまだわからない。これが「超地球(super-earth)」だといっても、地球がちょっと大きくなっただけと思ってはいけない。LP 890-9cは、おそらく岩石質で、地球より1/3ほど大きいサイズだが、恒星を周回するのにわずか8.5日しかかからない。それは、この惑星が私たちの太陽よりずっと冷たい恒星を周回していることからも裏づけられる。

「惑星は恒星の非常に近くを周回しており、水星が太陽を回っている距離の10分の1ほどだが、それでも恒星から受ける放射線レベルは低いため、十分な大気があれば液体の水が惑星表面に存在する可能性があります」とスペインのアンダルシア天体物理学研究所の研究員で、論文の主要共著者の1人でもあるフランシスコ・P・ポゼロスはいう。「これは、恒星、LP 890-9が太陽の6.5分の1の大きさで、表面温度は太陽の半分だからです。LP 890-9cが地球と太陽の距離よりもずっと恒星に近いにもかかわらず、居住に適した環境である可能性がある理由は、これが説明しています」

この「超地球」は地球に似ているかもしれないと宣言するためだけにも、まだまだ多くの観測が必要だ。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を使えば、もし存在すればそこの大気を調べることができる。

著者らは、この系外惑星にJWSTの大気検知機能を使う時期がきているだろうと考えている。「LP 890-9cはハビタブルゾーンの内側境界近くに位置しているため、水蒸気が特に多い大気を湛えている可能性があり、大気の信号が強く発せられるはずです」とデルレツはいう。そしてLP 890-9cの発見は、恒星のハビタブルゾーンの内側境界の正確な位置についてさらに多くのことを学ぶまたとない機会であることを彼女は付け加えた。

しかし、恒星から遠すぎる「スノーライン」と、近すぎる「沸騰ゾーン」の間にあって、液体の水が理論的に存在しうるハビタブルゾーンが何かを保証しているわけではない。「お隣の惑星である金星は、いわば二酸化炭素に富んだ500度近い圧力なべですが、太陽の回りのいわゆるハビタブルゾーンの中にいるのです」とベルン大学およびNCCR PlanetSに所属する本研究の共同著者ロバート・ウェルズ博士はいう。

これまでにTESSは、約5000個の惑星と惑星候補を発見している。最終的には、約1万2519個の系外惑星を発見すると予想されている。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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