天の川銀河には岩石質の「水の惑星」が想像以上に多く存在する

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太陽系外に水をたたえた惑星が数多く存在していることを示唆する驚きの研究結果がScienceに掲載された。

ただしそれは、地球のような海の世界や、生命体を育むことのできる惑星がたくさんあるという意味ではない。実際、米シカゴ大学とスペイン、カナリア天体物理研究所が実施した研究は、これまで考えられていたよりも多くの惑星に大量の水があるかもしれないが、ほとんどの水分は岩石の中や地下の海の中に存在しているだろうと報告している。

同研究は、現在知られている43個の系外惑星すべての質量と半径に注目した。いずれも海王星より小さく、赤色矮星と呼ばれる太陽より温度の低い恒星を周回している。赤色惑星は天の川銀河で知られている恒星の約80%を占めている。

研究によるとこれまで考えられていたよりもはるかに多くの惑星に大量の水が存在している可能性があり、水の質量はそれらの系外惑星の最大50%を占めるという。


「私たちは宇宙には数多くの水の世界があることを発見し、実際その数は地球型惑星の数にほぼ匹敵します」とシカゴ大学とアンダルシーア天体物理学研究所(IAA-CSIC)のラファエル・ルケはいう。

この推論は、系外惑星の密度が全体が岩石だとするには軽すぎるという発見から生まれた。「乾いた惑星と湿った惑星を区別するのは、半径でhなく密度であることを発見しました」とルケは語る。この証拠から、これらの系外惑星が半分は岩石で、半分は水またはその他の軽い分子で構成されているはずだ。

惑星に水が存在することは、常に宇宙の他の場所で生命が存在するための最も基本的な要件だとされている。科学者がEarth 2.0(第2の地球)探究を進める上で、水のある惑星が常にリストにトップにあるのはこれが理由だ。

系外惑星は主に次の2つの方法で発見される。

第1がトランジット法だ。これには、恒星の前面を惑星が通過するところを望遠鏡で観察する必要がある。惑星の影が恒星面を動くにつれ、恒星の輝度がわずかに下がることを検知する。このトランジット法によって、惑星の存在を最初に確認するとともに、科学者は惑星の直径を測定することができる。

系外惑星を発見する第2の方法は、視線速度法と呼ばれ、惑星重力による恒星のふらつき(視線方向の変化)を検出することで惑星の存在を明らかにする。科学者はこのデータを使って系外惑星の位置を特定するだけでなく、質量を知ることができる。

系外惑星の直径と質量を元に、天文学者はその惑星が何からできていてどのような外観なのかに関する情報の解明を開始することができる。これは、個別の系外惑星について実施されることが多いが、類似する恒星を周回する多数の系外惑星を解析する稀な試みもある。

対象となっている43個の系外惑星は、岩石質だが乾燥していると推定されている。しかし本研究は、岩石の中か、地表の下の隙間に水が存在している可能性を示している。地下に海があると考えられている木星の月、エウロパのように。

研究チームの次のステップは、これらの「水の世界」候補の内部構造を理解することであり、それはどこに水が蓄えられているかを見つけるという意味だ。これらの系外惑星のいくつかが水の世界であることを、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を使って証明できることが期待されている。先週この望遠鏡は、系外惑星の雲を初めて発見した。

「私たちの発見が、別のタイプの恒星を回る多くの小さな系外惑星にも適用できるかどうかを知ることも重要です」とルケは語った。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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