たった33光年先に2つの地球サイズ岩石型惑星発見 さらに見つかる可能性も

赤色矮星を周回する太陽系外惑星(Getty Images)

たった33光年だ。たいした距離じゃない。HD 260655という名の恒星の周りを回る、新しい2つの太陽系外惑星を実際に訪れることは不可能だが、宇宙的スケールではとても近い場所にあって、それゆえにとても重要であることには間違いない。そして、さらに多くの惑星が潜んでいる可能性もある。

太陽系外惑星とは、太陽系の外にある別の恒星の周りを回っている惑星のことだ。

HD 260655は、私たちの太陽系に最も近い恒星の1つで、天の川銀河系の中で最もよく見られるタイプの赤色矮星だが、その周りに地球サイズの岩石質の惑星が2つ存在していることを天文学者が発見した。

ふたご座の中にあるHD 260655は、肉眼では見えないほどの明るさしかないため有名ではないものの、同じふたご座のポルックスやうしかい座のアークトゥルスなどの、よく知られているはるかに明るい星とほぼ同じ距離にある。

それでもHD 260655は明るい星で、太陽系の比較的近くにあり、周回軌道上に惑星を持っていることから、天文学者からは「宇宙的」な衝撃とともに迎えられた。なぜなら、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、ほどなく遠くの太陽系外惑星に照準を合わせることができるようになるものの、大気の特性を引き出すことができるのは近接する太陽系外惑星だけだからだ。

残念ながら、HD 260655の周りにある2つの岩石質の惑星は、居住可能な惑星とは考えにくい。恒星のごく近くを周回しているため、表面は高温で、水を液状で保持することはできないはずだ。

MITのカブリ天体物理学・宇宙研究所のポスドクで、先週のアメリカ天文学会で発表された論文の主執筆者の一人であるミシェル・クニモトは、「この恒星系の2つの惑星はどちらも、恒星の明るさから大気研究の最適なターゲットと考えられています」と語っている。クニモトは「これらの惑星の周りには、揮発性の高い大気が存在するでしょうか?そして、水や炭素系の生物の痕跡はあるでしょうか?これらの惑星は、そうした探査のためのすばらしい実験場なのです」と語っている。
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翻訳=酒匂寛

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