たった33光年先に2つの地球サイズ岩石型惑星発見 さらに見つかる可能性も

赤色矮星を周回する太陽系外惑星(Getty Images)


この惑星は、NASAが2億8700万ドル(約387億9000万円)をかけて開発したトランジット系外惑星探索衛星(TESS)を用いて発見されたものだが、最初の4年間の観測で約5000個の惑星と惑星候補を発見している。TESSは合計で1万2519個ほどの太陽系外惑星を発見する予定だ。

HD 260655の周りにある2つの太陽系外惑星は、恒星からの光量の低下として検出され、何かが通過していることを示す確実な証拠となった。ハワイとスペインの地上望遠鏡のアーカイブデータが、その存在の確認を助けた。

この恒星に近い方の惑星HD 260655bは、2.8日ごとに軌道を周回し、大きさは地球の約1.2倍、質量は2倍、密度はわずかに高い(外惑星が岩石質の組成であることを示すのに重要なのは密度だ)。外側の惑星HD 260655cは5.7日ごとに周回し、大きさは地球の1.5倍、質量は地球の3倍、密度はわずかに低い。表面温度は華氏548度(摂氏287度)だ。

つまり、どちらの惑星もハビタブルゾーン(生命居住可能領域)からは外れている。恒星に近すぎるため、表面に水が液体で存在するには温度が高すぎるのだ。

「しかし、この恒星系にはもっと多くの惑星があるかもしれません」と、MITのアビィ・シュポラー研究員は語る。「特にこの星のような小さな星の周りに5、6個の惑星を持つ多惑星系は、多いのです。さらに惑星を発見したいですし、中にはハビタブルゾーンに属しているものもあるかもしれません」。

よりよい観察眼とともに宇宙の視界が開けますように。

翻訳=酒匂寛

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