30U30

2022.09.21

日本の起業家には、グローバルレベルの「ナラティブづくり」が必要だ

「30 UNDER 30 JAPAN」の授賞式にて


グローバルレベルの「ナラティブ」をつくれ


渡辺:岩本さんのお話を聞いていて、すごく共感しました。僕はグローバルレベルのナラティブ(物語)をつくることができる起業家が、もっと日本から出てこなければいけないと思っているんです。

お茶文化には「顧客体験」というナラティブがありますよね。「人類を月に運んでいく」というナラティブを持つイーロン・マスクは、個人資産がトヨタ自動車を超えました。日本の企業はそういう世界レベルのナラティブを出せていないがゆえに、どんどん弱くなっていると思うんです。

僕らの世代に求められているのはグローバルで勝つことです。岩本さんがおっしゃった長期視点で正義をつくるということは、それに通じるところがあると思います。世界を代表するような企業やプロダクツをつくるには、人の気持ちや環境をまとめていくことがすごく重要ですから。

岩本:茶会は非言語のコミュニケーションです。お茶を介して世界中の人とつながっていると、「国」という概念すら越えていける。これはTeaRoom創業当初からの理念でもあるのですが、僕は「一碗のお茶を通して世界中から対立をなくしたい」と思っています。

聖徳太子のことばに「和を以て貴しとなす」とあるように、調和の精神こそ日本の文化です。その精神こそ、「オープンイノベーション」とか「共創」が叫ばれる時代に最も重要なことだと思うんです。それをナラティブとして伝えられたら、世界中がよりよくなっていくのではないかと思っています。

藤本:3人とも非常に視野が広いですね!岩本さんが先ほどおっしゃった「和を以て貴しとなす」もですし、日本には近江商人の「三方よし」という考え方もありますが、そういった視点を持たないと、大きな共感は生まれませんし、人を巻き込むこともできないと思うんです。


グラコネ代表取締役の藤本真衣

お三方ともそういう視点をもって、目の前のことだけでなく、どうやったらグローバルに、世代を越えて巻き込めるかというところまでちゃんと考えられている。本当に今回の受賞に相応しい方々だなと、あらためて思いながらお話をうかがっていました。

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文=久野照美 撮影=You Ishii

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