ハービンジャーのセールスポイントは、電気トラックのシャーシを安く提供できるすることだ。そのために、乗用車メーカーと同じように、バッテリーシステム全体を自社で構築している。既存のトラックメーカーは、バッテリーパック一式を外部企業から購入するのが一般的だ。
「トラックメーカーではバッテリーセルを購入した後、自社でモジュール化し、パックを組み込んでいる例はあまり見られません。その結果、複雑なシステムに割高な料金を支払うことになります」と、ハリスCEOは説明する。「私たちはバッテリーセルを購入し、より高度な統合はすべて社内で行い、その結果、私たちのバッテリーパックのコストベースは、フルパックを購入しているトラック運送業界の他の企業よりも50~80%低くなっています」
典型的な配送ドライバーは、1日に100回以上トラックに乗り降りすることがあるが、ハービンジャーのシャーシは34〜36インチ(約86〜91cm)の典型的なステップインの高さを、空車時は約6インチ(約15cm)、フル積載時は約4インチ(約10cm)低くしている。
またステア・バイ・ワイヤ機能により、走行状況に合わせてステアリング比を調整することで、手根管損傷のリスクを軽減することを目的としている。また、大きなエンジンルームとシートの間の狭い空間でのつまずきのリスクも排除している。
ハリスCEOは、業界の一般的な運用方法と中型トラックの需要が爆発的に伸びたことにより、より費用対効果が高く、エネルギー効率の高い電気自動車のシャーシが必要とされるようになったと指摘する。
「私たちが電気化を考えるとき、中型車は今日、実際の車両運用方法と最も自然に適合するところです」とハリスCEOはいう。「中型車では、ほとんど常にフリートで運用され、ほとんど毎晩同じ場所に駐車し、その場所は常に工業地帯にあり、重工業の電力とシフト勤務がある場所なのです」
ハリスCEOは、商用トラックフリートが「仕事量が多く、ドライバー不足が続いており、安全性とコストを実質的に改善する機会があり」最初に採用されると考えているため、ハービンジャー・シャシーも自律走行型電気中型車をサポートできるように設計されている。
ハリスCEOによれば、パイロットテストは2023年半ばから後半に始まり、顧客へのデリバリーは2024年のある時期になるという。顧客は決まっているが、まだその人たちを明らかにする準備ができていない。それは、これから起こることだ。
(forbes.com 原文)