レジオネラ症の治療で重要なのは、適切な抗生物質をできるだけ早く接種することだ。世界保健機構(WHO)の説明によると、レジオネラ症全体の死亡率は5〜10%だ。しかしこの死亡率は、免疫系の弱い人では5~30%に跳ね上がり、時間内に適切な治療を受けなければ、40~80%へとさらに高くなる。どんな形にせよレジオネラ症の疑いがあるとき、医師は患者の尿、血液、あるい痰の中のレジオネラ菌の証拠を探すべきなのはこのためだ。
そういうわけで、良い知らせはアルゼンチンのトゥクマン州で流行している肺炎は、「いったい何が起きているんだ?」病ではなく、「これは1976年にフィラデルフィアでも起きたことのある」病だということだ。さらにいうと、感染した人が別の人にレジオネラ菌を伝染させることは少ない。そのため、レジオネラが広く集団に広まる可能性はごくごく低い。もちろんこれは、パニックになってトイレットペーパーを買いだめするような状況ではない(一般に、保健機関が「さあ、今すぐトイレットペーパーを買いだめしましょう」ということはまずない)。このレジオネラの流行は、新型コロナウイルスによるパンデミックの状況とは異なる。あるいはサル痘流行の状況とも。言い換えると、このレジオネラ症の流行が広く遠くへまん延する可能性は低い。
とはいっても、当局が、「人生は一度きりですよ」などということはないし、緊急的行動を続けることもないだろう。現在、彼らはこれ以上患者を増やさないために一刻も早く流行の原因を突き止めようとしている。つまるところ、水道システムが劇場のミストシステムのようにレジオネラ菌を空中に噴霧し続けてほしいとは誰も思っていない。アルゼンチンの健康省と地域の保健機関は、アルゼンチン北西部、サン・ミゲル・デ・トゥクマン市のレジオネラ菌に感染した医療従事者が働いていた民間診療所の内部と周辺で環境サンプルを採取している。これは何を修正すべきかを特定するのに役立つかもしれない。当局としては、レジオネラ菌がこれ以上「出歩く」ことがないことを確実にしたいのだ。
(forbes.com 原文)