南米で「謎の肺炎」で3人が死亡、新型コロナに似た症状

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アルゼンチンの保健当局は9月1日、3人が謎の呼吸器疾患で死亡したと発表し、専門家はこの病気の原因が新型コロナウイルスやインフルエンザではないと述べている。

アルゼンチンのトゥクマン州では、9人が原因不明の肺炎にかかり3人が死亡したが、当局によると症状は新型コロナウイルスに似ているとのことで、少なくとも4人が病院で治療を受けている。

当局はすでにCovid-19、一般的なインフルエンザ、ハンタウイルスなど25の病原体を感染の原因から除外しており、サンプルはブエノスアイレスのマルブラン研究所に送られてさらなる検査を受けている。

患者は診療所周辺に集中しており(患者9人のうち8人は診療所に勤務)、専門家は、呼吸困難、発熱、下痢、体の痛みなどの病気の兆候がないか、患者の接触者や診療所の他のスタッフを監視しているが、現状では監視対象者の間で症状は出ていない。

調査にあたったスタッフは、この病気が感染性物質によるものか、環境中の何かによるものかは断定しておらず、水やエアコンが汚染されている可能性もあるため、調査中だと述べている。

南北アメリカ大陸の専任国際保健機関であり、世界保健機関の地域事務所でもあるPAHOは、アルゼンチンの保健当局とともに事態を注視していると述べた。

当局は、手術のために入院した後に、この病気で死亡した70歳の女性が、このアウトブレイクの患者第1号である可能性を指摘した。タフツマン州の保健当局のLuis Medina は、この点についてもまだ評価中だと語った。

原因不明の肺炎の報告は、新型コロナウイルスのパンデミックの初期にもあったが、必ずしも警戒すべきものではない。原因不明の病気の集団発生は、新たな病原体ではなく、研究所で定期的に検査されていない珍しいものが原因である可能性もある。また、患者がさらされた環境の中の、まだ特定されていない何かが原因である可能性もある。正確な評価を下すためには、病気の原因や、感染性がある場合にはその感染経路などに関するデータの分析が必要だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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