「ところで先生がお話されているこの見過ごされた教訓というのは何なのですか、シェパード博士?」。先にジョージア大学の学生たちが私に「標準を超える」ハリケーンの活動を検証するための時間はまだあると思うかと質問してきた。NOAAとコロラド州立大学のグループによる季節予報は、ここ数カ月間状況は比較的静穏であるにも関わらず、標準を超えるシーズンの予報を続けている。今は8月後半で、気候学的には立ち上がりの時期にあたる。以前も述べたとおり乾燥した空気、サハラダスト、マッデン・ジュリアン振動(MJO)状態などは活動を控えているが、続いている兆候はある。この季節が「標準を超える」と考えられるほど危険な状況に向かっているかどうかは時間が経ってみるまでわからない。季節的活動について考えることは興味深く、2年続いた記録的シーズン(2020年および2021年)の後では特にそうだが、この重要な事実が私の基本理念になっている。「世代を変える嵐になるために必要なのはたった1つのハリケーンなのだ」
そこでハリケーン・アンドリューの教訓を述べる。あれは8月後半にやってきた「A」ストーム(名前がAで始まるシーズン最初のストーム)だった。私のような「天気オタク」は、おそらくそのときまで「ハリケーンシーズンの何が悪いの?」といっていただろう。しばしばツイートしているように、私はハリケーンやその他の嵐に魅了されているが応援はしない。ハリケーンは人を殺す。ハリケーンは壊す。最終的に1992年シーズンには7つの嵐と4つのハリケーン(うち1つが大型のアンドリュー)が発生した。ハリケーン・アンドリューの30周年を振り返るとき、私たちは1992年にいくつ嵐が発生したのかを話しているのではない。私たちが話しているのは、社会を形成した嵐についてだ。
大西洋のハリケーンと熱帯性低気圧の活動。通常の活動ピークは9月。NOAA
(forbes.com 原文)