テクノロジー

2022.08.25 07:00

EVの普及を阻む集団心理に由来する私たちの中にある障壁

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子どもや親戚に影響されないのであれば、おそらくあなたは(最低でも)2035年までに3つの自動車購入を決定していることだろう。これは、住宅ローン以外の毎月のコストという点では、食料のインフレコストを除けば、依然として2番目に大きな決断となる。

米国政府が7500億ドル(約103兆円)を投じて行う環境保護対策は、ほとんどの人にとって遠い話のように思えるかもしれないが、今、私たちはそれぞれ個人的に決断できることがある。同時に私たちは、偶然かもしくは大幅に増加した人類が排出する炭素によって悪化した環境変化の中で生きている。

米国だけで、交通機関が排出する二酸化炭素が全体の27%を占めている。そのことについて考えてみよう。排出量をゼロにする、あるいは大幅に減らすことのできる力を想像してみよう。私たち1人ひとりができる小さな一歩だが、これは私たち自身、私たちの子どもたち、子どもたちの子どもたちそして隣人のために真剣に考えなければならない決断だ。

では、自分がEVに移行できるかどうか、どう判断したらいいのか。

テキサス州オースティンを拠点とするCambia Information Groupの調査を元に以前書いたように、私たちは今、2つのとても特徴的な正反対の立場にある。一方は「ガソリン好き」だ。基本的には8人に1人がそれにあたる。彼らは一般的に、それが新車に法的に要求されたとしても、自分や他の人がEVに変更することはないと思っている。もう一方は、EVに完全に移行する人々だ。7%の少数でやや脆弱なグループは、2027年までにEVが内燃機関を(少なくとも50%)上回ると考えている。これは、今の政治の風景にかなり似ている。そうとても極端だ。

極端な対立は、大衆を代表することはできず、率直にいってこの世界の長期的な方向性を動かすこともできない。EVをどこで、どのように、そもそも買うかどうか決めていない81%の人たちが、輸送による炭素排出について決断するのだ。つまり、自分の行動や自動車を購入する友人や親戚そして自動車を所有するようになる子どもたちにこのことをどう話すかによって、私たち1人ひとりがこの現実を実現する力を手にしている。
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翻訳=上西 雄太

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