論文の著者らは、親がガードレールを設定することで、ソーシャルメディアの過剰消費が招く児童や思春期の子どもの不安や鬱を軽減し、ネットいじめの悪影響を最小限に抑えることが可能だと主張している。
ここでは、その提言の概要を紹介する。
提言1:ソーシャルメディアに対する子育てスタイルの違いを熟知する
親が子どものソーシャルメディア利用を管理する方法が、さまざまであることに驚く必要はない。著者らによると、10代のソーシャルメディア利用を監視する際に、親が取る一般的なアプローチは4つある。それらは以下のようなものだ。
1. 自主性支援型:青少年の視点を真剣に受け止めて、発達段階に応じて適切なソーシャルメディアのルールの根拠を提供する
2. 自主性規制型:青少年の視点をあまり尊重せず、厳格で厳しいルールを提供するアプローチ
3. 一貫性欠如型:この戦略または戦略の欠如は、親のソーシャルメディアに関する制限、規制、または議論がランダムに変化する場合に観察される
4. 寛容型:このアプローチは、ガイダンスや議論を避け、一定の制限やルールを提供するだけにとどまる
この他のスタイルも存在している。その中には追跡ソフトを使ったり、子どものソーシャルメディアのパスワードを共有していたり、子どものソーシャルメディアのプロフィールをチェックしたりするなどして、子どものメディア利用を監視する「ソーシャルメディア監視」を実践している親もいる。研究者たちは、ソーシャルメディアの監視方法を「権威主義的監視(子どものソーシャルメディアのアカウントやパスワードにアクセスするなど)」と「非侵入的検査(プロフィールの閲覧など)」の2つのサブカテゴリーに分類している。
また、親子でいっしょにソーシャルメディアを利用する「共同利用(コユース)」の事例も見られる。
ソーシャルメディアに関わる子育て方法を深堀りする前に、自分の現在のソーシャルメディアに対するスタンスを振り返り、それが子どもの目にどう映るかを考えることが重要だ。あなたは自主性支援型だろうか、それとも自主性規制型だろうか? それともルールに対して一貫性欠如型だろうか、それとも寛容型だろうか? 子どもといっしょにソーシャルメディアを共同利用しているだろうか?何らかのかたちでソーシャルメディア監視を実践しているだろうか?