デジタル封建社会の終焉はいつか
メタバースの現状について教えてもらった。
「上記は、2D-SNSと3次元の3D-SNSを比較した表です。3次元のSNS=メタバースでは今世界では様々なプラットフォームが出てきています。メタバースは〈GAFAM系〉〈MMORPGなどのゲーム系〉〈NFT・暗号資産系〉と大きく分けて3つのまとまりがあり、これらの中から複数の主要なメタバースが出てきています。これまではFacebookやInstagramなどSNSが1強状態でしたが、次のSNSではそれらが相互に行き来できるマルチバースの様相をみせて盛り上がりをみせています。また、現在の主要なSNSであるFacebook、Instagram、Twitterなどの主要な2D-SNSではNFTの採用を発表し、形式は違えどメタバース同様、デジタル上で経済活動が完結するような世界を目指しています」(天羽氏)。
子どもたちがゲームで稼ぐ時代は既に来ている
冒頭にも述べたように何億もするようなアートが取り沙汰されるなど、バブルの様相を呈しているNFTの世界だが、たとえばフィリピンでは、Axie InfinityというゲームでNFT化したモンスターを取引し、換金して収入を得ている人々がいるという。
このように現⾏の現実とまったく違う⽅法で、例えば⼦どもたちや無名の⼈がNFTを使って夢を掴むようなことが他のジャンルでも出てくるのだろうか。
「もちろんあると思っています。現在、YouTubeやTikTokから、スター街道を駆け上がるアーティストが誕生しているように、NFTに適したコンテンツが生まれ、そこからスターが誕生したり新しいビジネスが生まれたりしていくと思います。
2021年3月頃より、NFTの高額販売によってNFTに注目が集まりました。その後、NFTであれば何でも高値で売れるというような時期もありましたが、現在は状況が変化しており、NFTにする意味があるものに価値がつくようになってきています。NFTをどう活用するのが正解なのか、世界中でさまざまなチャレンジが繰り広げられています」(天羽氏)。
先に上げた映画「レディプレイヤー1」の舞台は2045年。それまでに金融や社会はどれだけNFTへと転換していくのだろうか。
「明確に予測するのは難しいですが、いつかくると信じています。しかも、私たちが想像するより、少し早く来ると思っています。
自分自身がNFT事業への参入を決定したのが、2020年6月ですが、その当時はほんの一部の人たちの間で話題になっている程度でした。いつかNFTの波が来ると思っていたのですが、それはいつかと言われたら、5年後かもしれないし、10年後かもしれない。もしかしたら、30年後かもしれないと思っていました。
しかし、それが2021年初からいきなり話題を集め、瞬く間に広がっていき、市場規模が拡大していきました。暗号資産もそうですが、非常に変化の速い業界です。なので、思っているよりも、早く来ると思っています」(天羽氏)