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2022.08.23 12:00

社会問題への関心を高めたい。モデル・長谷川ミラが日本に抱いた危機感


専門家と一般の人をつなぐ「仲介人」に


ロンドンでの経験をもとに「日本の若者が世界に出たときに、自分のような思いはしてほしくない」と強く思った長谷川は、若い世代に向けて社会で起きていることを発信していこうと考えた。ちょうど「テラスハウス」に出演した影響で多くフォロワーがいた自身のSNSアカウントが活用できた。

「日本には社会問題に詳しい専門家はいるけれど、メディアに出る立場の人が社会問題に言及する機会は少ない。それなら、メディアに出る側の人間として、私が専門家の意見や行動をわかりやすく翻訳し、専門家と一般の人をつなぐ『仲介人』のような立場になろうと考えました」

発信する情報はできるだけ自ら取材する


現在は自身のSNSに加え、雑誌『sweet』での連載やFMラジオ局J-WAVEのレギュラー番組「START LINE」、ポッドキャストの番組「Tokyo Young Boss」、YouTubeなど、発信の場をどんどん広げている。扱うトピックは様々だが、総じて伝えたいのは「ニュースに興味を持ってもらい、社会問題を自分事として捉えてほしい」ということだ。

「私も含めコメンテーターはみんな、炎上のリスクを避けるため、自分の意見を述べる前に『こういう意見もあるし分かるけれど』といった前置きをします。でも、結局何が言いたかったのかが伝わりにくくなってしまうこともよくあります」

こういった考えから、特に「Tokyo Young Boss」ではストレートに本音を話している。

「自分の意見を言うことは悪いことではないし偏っていても良い。必ずしもみんなが納得する意見を言う必要はない。この番組のリスナーさんは、それを分かってくれているので」

こだわっているのは、自身が発信する情報はなるべく自分で足を運んで取材をすること。例えばYouTubeでウクライナの状況を発信した際には、実際にポーランド側から国境まで足を運んだ。ほかにも、ゴミ処理場に行ってゴミに関する社会問題を取材し発信したこともある。「分からないことがあれば専門家に直接聞く」というスタンスで、自身のラジオ番組にも度々専門家を呼んでいる。

「取材した情報は、できるだけカジュアルに、誰にでも理解できるような形での発信を意識しています。いきなり深い情報を知ってもらうのは難しいので、『それってどういうことなのだろう』と思って、深堀りして調べてもらえたらと思っています」
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文=三ツ井香菜 構成=田中友梨 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=田中香菜 ヘアメイク=澤木ミリ

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