ライフスタイル

2022.08.20 19:00

自分を大事にするってどうやるの? セルフパートナーシップの育み方


──すばらしいです! そもそもどうして起業しようと思われたんですか?

産後、ずっとリバウンドを繰り返していたダイエットに成功して、20キロ痩せたんですよ。1年3カ月で。ちゃんと結果が出たので、コンテンツとしてお届けできるなあと思って、まずInstagramを始めたんですね。2015年当時はまだ、ダイエットのHOW TOをInstagramで発信している人があんまりいなくて、「私だったらこうしたいな」っていう気持ちが膨れていったんです。それこそ「自分にできること」だと思ったので、やってみようと。

始めてみたら1年くらいで多くの人に見ていただけるようになって。そのタイミングで夫が起業することになったので、私も参画することにしました(笑)。メンバー5人くらいの小さな会社なんですが、その中で私は、個人の発信とeumeの開発から販売、ブランディング、何から何までやっている感じです。

「できなかったこと」ではなく「できたこと」にベクトルを向ける


──自分を大事にすることから始める、自己効力感を育む、といったeumeのコンセプトに至った背景には、彩帆里さん自身のどんな経験があったんでしょうか?

私自身、思春期から体型にコンプレックスがあってダイエットを繰り返してきたんですが、なかなかうまくいかなくて。何者かにならなきゃいけない、痩せなきゃ人に認めてもらえない、と外側にずっと意識を向けていたんです。自分を置き去りにして。

ダイエットや美容に関する情報ってたくさんあるじゃないですか。私もたくさん知識はあったけど実践ができなかった。それができたら困ってない!っていうね(笑)。がんばることや、正解だと思うことを自分に押し付けてばかりでいつの間にか、しんどいとかお腹が減ったとか、そういう自分の感覚を取り残していました。我慢ばかりのダイエットだから続かなかったのだなぁと思います。

私はもともと、仕事でもプライベートでも自分の言いたいことを我慢して、限界が来たときに爆発しちゃうタイプ。人と関わるときも、自分の感情を押し込めて、自分で自分を大事にしていないことにも、誰かに自分が蔑ろにされていることにも気づけなかったんですよね。



──そこからいまの彩帆里さんになるまでに、何があったんですか?!

10年以上、カウンセリングに通い続けているのが大きいですね。そこではずっと自分を感じ、整理し、心地よく付き合っていくことに取り組んできました。身体が不調のときは心も前を向かないし、気持ちが落ち込んだときは身体もしんどくなる。教育の中で、身体のすり傷の治し方は学んでも、心の傷や不安との付き合い方は教わりませんでした。

心と身体が密接に関わり合っているという前提や、不安を感じることは自分を守る上でとても大切な感覚だということも知りませんでした。その前提を大切に、ありのままの自分を受け入れられることが少しずつ増え、極端なやり方ではなく自分のペースでできることが、ダイエットやセルフケアでも増えていきました。
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文=徳 瑠里香 画像=本島彩帆里さん提供

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