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2022.08.17 17:30

暗号資産「冬の時代」到来 日米の市場動向とWeb3の未来 <後編>

SBI VCトレード常務取締役の近藤智彦氏(右)と、筆者(左)


近藤:日本でも同様の取り組みが昨年始まりました。SBIグループの一員となったアプラス社が昨年、ビットコインが貯まるクレジットカードを発行しました。
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SBI VCトレードにおいても三井住友カードでSBI証券の積立投信を設定している利用者向けに、クレジットカードの利用額に応じてXRPを付与するキャンペーンの対応を行いました。通常の三井住友カードのポイント付与とは別に、クレジットカード利用額の3%相当のXRPも付与されるという非常に大型キャンペーンとなり、人気を博した施策となりました。


「NFTがより一般化できるよう、簡単にNFTを購入できるような取り組みを考えている」(近藤智彦氏)

吉川:このほかにも、ロイヤルティポイントが暗号資産に置き換えられる動きが起こっていますね。また、米国の取引所では、例えば新しい暗号資産を学ぶ動画を見るとその暗号資産が付与されるような「Learn to Earn(学んで稼ぐ)」のリワードプログラムを提供するところも多いです。
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近藤:暗号資産を活用した商取引決済も活発になってきていますね。日本の中古車は海外、特にアフリカで高く評価されており、国産中古車の海外販売サイトを運営するSBIアフリカでは今年5月、BTCとXRPによる決済対応を始めました。現地から売買代金を受け取るにも複数の金融機関を経由する必要があったが、暗号資産により低コストで直接受け取れるようになりました。

吉川:より身近なところでいうと、暗号資産で決済ができる飲食店なども増えていますよね。最近日本に出張した際に、暗号資産でしか決済を受け付けない「クリプトバー(CryptoBar P2P)」に行ってきました。ビットコインとイーサの他に暗号資産XRPでも決済できないかお店の方に聞いたところ、その場でXRPのウォレットをダウンロードしてくださって、数秒で決済することができました。

海外在住者にとっては、旅先でも暗号資産で決済ができると、法定通貨をわざわざ交換する必要がなくなるので、ありがたいんですよね。今後も「クリプト・ネイティブ」な人たちが増えていくに従って、さまざまな場での暗号資産での決済も増えていくと思います。

米国でも、暗号資産での決済を受け入れるECサイトやリアル店舗も徐々に増えてきています。EV大手テスラがBTCに対応と発表した時は話題になりましたが、環境負荷に対する懸念から撤回されました。ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から環境負荷への関心も、ここ数年でかなり高まっていますね。

XRPの場合、マイニング(採掘)を使わない仕組みになっていて、BTCの12万分の1と電力消費量が低い特徴があります。また、発生した二酸化炭素についてはカーボンクレジットを購入することでオフセットされる仕組みになっていて、世界で初めて、完全に脱炭素化した主要なブロックチェーンと言われています。ブロックチェーンの環境への影響は引き続き、ESGの文脈で法人や機関投資家の間で注視されていくと思います。

近藤:ビットコインのマイニングは寒冷地のデータセンターなどに集中していたようですが、直近の価格の下落で撤退する事業者が出てくるなどの動きも見えております。その点、XRPの低い消費電力については非常に評価できますね。
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文=吉川絵美

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